Regional Anesthesia in the patient receiving antithrombotic or thrombolytic therapy②
2010年 01月 28日
4.1
抗Xaレベルは出血のリスクの指標にはならないのでモニタリングとしてルーチンで使用することは推奨しない。
4.2
抗血小板薬や経口抗凝固薬の併用は脊髄血腫のリスクを高める。抗血小板薬、未分画ヘパリンやデキストラン投与と低分子ヘパリンを併用は推奨しない。
4.3
穿刺時やカテーテル留置時の血液の存在は必ずしも手術の延期を必要としない。この様な場合は外科医と相談の上、術後の低分子ヘパリンの開始を24時間以降に延期する。
4.4 手術前の低分子ヘパリン
4.4.1
手術前の低分子ヘパリンの投与は凝固能以上と考えるべきである。穿刺は最後の低分子ヘパリン投与から12時間以上開けるべきである。
4.4.2
高用量の低分子ヘパリン投与中の患者では投与から24時間以上経過してから穿刺すべきである。
高用量の例
エノキサパリン(キレキサン)1mg/kg 12時間毎(日本での通常量は20mg、12時間毎)
ダルテパリン(フラグミン)200U/kg/24h(日本での通常量は75U/kg)
4.4.3
手術の2時間前の低分子ヘパリンの投与を受けた場合(全身麻酔の場合)、抗凝固活性のピークであるため神経ブロックは行わない。
4.5 術後の低分子ヘパリン
手術後に低分子ヘパリン投与を受ける患者であっても、安全に単回あるいはカテーテルを留置しての神経ブロックを施行できるかもしれない。ポイントは投与量、初回投与のタイミングと投与計画である。
4.5.1
1日2回投与
このスケジュールは脊髄血腫のリスクが高くなる。最初の投与は外科的な止血の完成後ですくなくとも24時間以降とする。カテーテルの抜去は投与前に行う。持続硬膜外鎮痛を行う場合は最初の低分子ヘパリン投与の2時間前にカテーテルを抜去する。
4.5.2
1日1回投与
最初の投与は術後6-8時間で行う。2回目の投与は24時間以降に行う。カテーテルは安全に留置しておくことができる(may)?。カテーテルの抜去は最後の低分子ヘパリン投与から10-12時間後に行う。その後の投与は少なくとも2時間開けて行う。その他の抗凝固薬の投与は行わない。
つづく
クレキサンの投与は添付文書では1日2回ですが、これによると1日1回投与のほうが安全ということになりますね。カテーテルも使えますし、、