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An estimation of the minimum effective anesthetic volume of 2% lidocaine

An estimation of the minimum effective anesthetic volume of 2% lidocaine in ultrasound-guided axillary brachial plexus block
Anesthesiology 2009;111;25-9


腕神経叢ブロックの腋窩アプローチの場合、局所麻酔薬をどの程度の量使っているだろうか?
古い教科書だと40mlになっていることが多いように思う。動脈貫通法や動脈の拍動を触れながら神経刺激で行っていた時代では、正中、橈骨、尺骨の各神経をまんべんなくブロックのするのはしばしば困難であり結局量をいれて解決しようといていた面がある。さらに筋皮神経などうまくブロックできるとは思えなかった。
超音波ガイド法になってからはこれら4つの神経を同定して局所麻酔薬を神経周囲に注入することが可能になり使用量は減少傾向にはあったと思われるが適量については定説がない。
ちなみに私は0.2-0.25%アナペインを3-4ml×4で計12-16ml使用している。この研究のようにブロック単独で手術を行う場合は1%カルボカインを同量使用する。

そこでこの研究である。
腋窩アプローチでの局所麻酔薬の適量について検討している。
使用する麻酔薬は、2%エピネフリン入りリドカインである。連続した症例で、各神経に4mlずつから始めて、0.5mlずつ量を減らしていき、どこまで局所麻酔薬の量を減らすことができるか検討している。使用している超音波装置はソノサイトのタイタンの7-10Mhzのリニアプローブなので、現行のS-Nervなどと比べると2世代くらい前の機種になる。神経刺激は併用されていない。
結果として局所麻酔薬の量は神経あたり1mlまで減らしても成功した。計4mlで充分という結果はそれなりに衝撃的である。もちろん術者のスキルも高いのだろう。

(私見)
末梢神経ブロックのここ数年の変化として、使用する局所麻酔薬の低濃度化がある。私自身当初使用していた0.75%アナペインから0.5%、0.375%と薄くなっていきとうとう0.2%になった。高齢者では0.15%でも充分だと思っている。この研究では2%という私からみると高濃度のリドカインを使用しているが量は少なくてもよいという結果である。末梢神経ブロックに関しては技術的なことだけでなく、使用する局所麻酔薬の選択を考えていくことがひとつのポイントになっているのは間違いない。
by yamorimo | 2009-06-26 23:24 | PNB
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