ヤンセンの砂時計の使い方(TIVA編)
2008年 11月 15日
パターン①は、レミフェンタニルの投与を先行する方法。
まず、レミフェンタニルを0.5μg/kg/minで開始、砂時計で3分を測る。酸素飽和度には注して時々深呼吸を促す。3分後にレミフェンタニルを0.25μg/kg/minに減量、プロポフォールをTCIで投与開始する。この方法だとプロポフォールによる血管痛がほぼ抑制される。レミフェンタニルで意識レベルもやや落ちているのでプロポフォールは効果部位濃度1μg/ml程度で就眠する。就眠後にロクロニウム投与する。レミフェンタニルを0.25μg/kg/minにしたときにもう一度砂時計を倒しておけば、ちょうど3分後くらいに相関可能になる。
この方法の欠点は、就眠時のプロポフォール効果部位濃度が患者のプロポフォールにたいする感受性の指標にはならないということで、術中はBISモニタが必須である。
パターン②は逆にプロポフォールの投与を先行する方法。まずプロポフォールのTCI投与を開始する。患者の就眠後に、レミフェンタニル0.5μg/kg/minで開始、砂時計もスタート。ロクロニウム投与。あとは3分間待ってから挿管する。この方法ではプロポフォールの血管痛は問題になるが、プロポフォールの効果部位濃度を指標に麻酔を維持することが可能になる。術中のBISモニタができないケースやノイズが問題になる脳外科の症例などではこちらを選択するとよい。