Combinaiton opioid
2008年 07月 20日
ではどうしたらよいのか、先日麻酔科学会でのKakinohana先生の講演を紹介したが、抜管前の呼吸数で評価するというのがひとつの方法になるだろう。例えばこれまでであれば筋弛緩薬なしでラリンジアルマスクで維持する症例では呼吸数を8-15回/分になるようにフェンタニルを投与するという方法があったがこれの応用と思えばよい。ただ覚醒時はよくても病棟帰室時にはということにならないためには持続静注を考慮したり、作用時間の長いモルヒネを使う必要がある。モルヒネのタイトレーションを短時間で行うのは結構難しいかもしれない。
もうひとつはある程度この手術でこの患者ならこの程度というレベルを維持しておいて覚醒時の状態でさらに調節する方法だ。
先日のアンケートでのtransisitonal opioidとしてのフェンタニルの使用量はこんな結果だった。
ここで注目したいのが少ないながらもフェンタニルを300μg以上使っている人がいるという点。コメントでもレミフェンタニルとフェンタニルと併用しているという意見がみられた。この様な投与法は以前ちゃんぽん麻酔と表現したが少し格好良く、combination opioidと命名してみた。
イメージとしてはこんな感じになる。
フェンタニルは無理のない2ng/ml程度を目標に術中は維持する。手術終了時に投与を中止するとゆっくりと濃度が低下するが例えば1ng/mlまで低下するにはCSHT分の時間がかかるので比較的長時間の症例であれば術後もフェンタニルの作用が長時間持続する。数時間後には経口のNSAIDsくらいで対応できる症例ではこれでよいし、もちろんiv-PCAへのつなぎも良好である。
フェンタニルの投与はTCIをイメージしたがもちろん少量の間欠投与でもよい。持続で使う場合は、TIVAtrainerのIVAssist機能を使うとよい。フェンタニルの残液は病棟へ返す点滴内へいれている。
レミフェンタニルはグラフでは固定しているが実際は必要に応じて調節するとよい。年金と同じで基礎部分をフェンタニルでそれで不足する部分を調節性のよいレミフェンタニルという考え方だ。この投与は先日紹介したBeComSIMを使ってフェンタニルとレミフェンタニルの両方をシミュレーションしながら使うと安全に行うことができる。