抗凝固薬と麻酔管理①
2008年 07月 02日
サマーセミナーでの勉強ノートを少し補強して紹介します。
最近、アリクストラに加えてクレキサンが発売され術後の抗凝固療法がより一般的になってきた。まず何故抗凝固療法が必要なのかという点について。
これまで周術期の肺血栓塞栓症(PTE)の予防には弾性ストッキングと間欠的空気圧迫法が主流で抗凝固療法はあまり行われてこなかった。麻酔科学会の調査では、これら弾性ストッキングや間欠的空気圧迫法の使用頻度の増加は、確かにPTEの発生を低下させた(4.41人/一万例→3.62人)が充分ではない。そこで抗凝固療法の必要性がクローズアップされたという背景がある。
新しく使えるようになったクレキサン(エノキサパリン)は低分子ヘパリンである。欧米では20年の使用実績があり有用性は確立しているが、生物由来という点ではヘパリンと同様の欠点を持つ。1日2回投与であることがアリクストラとの違いである。
アリクストラ(フォンダパリヌクス)はヘパリンの構造から抗凝固にかかわる部分を完全に化学合成して作られているため、HITなどの心配はない。また内因系と外因系の凝固経路の合流点であるXa因子の選択的阻害薬であり、血小板凝集能に影響を与えないなどの特徴がある。1日1回投与でよい。
最近、アリクストラに加えてクレキサンが発売され術後の抗凝固療法がより一般的になってきた。まず何故抗凝固療法が必要なのかという点について。
これまで周術期の肺血栓塞栓症(PTE)の予防には弾性ストッキングと間欠的空気圧迫法が主流で抗凝固療法はあまり行われてこなかった。麻酔科学会の調査では、これら弾性ストッキングや間欠的空気圧迫法の使用頻度の増加は、確かにPTEの発生を低下させた(4.41人/一万例→3.62人)が充分ではない。そこで抗凝固療法の必要性がクローズアップされたという背景がある。
新しく使えるようになったクレキサン(エノキサパリン)は低分子ヘパリンである。欧米では20年の使用実績があり有用性は確立しているが、生物由来という点ではヘパリンと同様の欠点を持つ。1日2回投与であることがアリクストラとの違いである。
アリクストラ(フォンダパリヌクス)はヘパリンの構造から抗凝固にかかわる部分を完全に化学合成して作られているため、HITなどの心配はない。また内因系と外因系の凝固経路の合流点であるXa因子の選択的阻害薬であり、血小板凝集能に影響を与えないなどの特徴がある。1日1回投与でよい。
by yamorimo
| 2008-07-02 21:25
| 麻酔