周術期麻酔管理ハンドブック
2008年 06月 06日
実はあまり期待しないでパラパラとよんでいた。気道確保の部分が非常によい。次に脳波モニターの部分がSH先生の論文を引用したりでよかった。ふと執筆者を確認したら、I瀬先生とSH先生だった。各論の部分も、蔵谷先生、佐藤先生、照井先生と専門家が並んでいる。
後期研修医の先生はまず第10章の中枢神経・意識の管理を読んでみるとよいだろう。麻酔深度に関する明快な記述に驚くことだろう。その他の部分もお勧めが多い。この大きさの教科書にはよいものがなかったがこれは久々のヒットであり、麻酔指導医クラスであっても一読の価値がある。
惜しむらくはもう少しボリュームが欲しいという点か?なにしろ麻酔科学スタンダードに近い内容が一冊につまっている。麻酔薬の薬理学的な部分がなかったり、今流行の術後鎮痛に関する記述もない。たぶん今までの麻酔科学の教科書とは切り口が違うのだろう。
今日から実践できるTIVA2と並んで今時の麻酔を知るにはよい教科書である。