麻酔専門医とAHA
2008年 06月 05日
これについては麻酔ディスカッションリストで賛否両論の議論が展開された。
まず、麻酔専門医にはガイドラインに沿った救急蘇生のスキルと知識が必要ということにはほとんど人が異存がない。問題は方法論として、
何故AHAなのかという点と
これを強制される必要があるのかという2点ではないだろうか。
ただ現実的には現在のところ全国規模で定期的に蘇生法を教えているのはAHAの各サイトであるのは間違いない。受講料が問題になっているが、ある程度のレベルのインストラクターを揃えるには現在の受講料でも厳しいところである。例えばBLSコースでは受講生3名に1名のインストが付く。18000円の受講料は決して高くはないと思っていただきたい。
ついでに、個人的な意見ではあるがAHAのBLS、ACLSというのはあくまでも個人の意思で、スキルアップのために受講するものであるべきと思っている。その意味では必須というのには抵抗がある。とはいえ麻酔専門医たるもの5年に一度くらいは(実際にAHAのプロバイダーの有効期限は2年だが)、BLSくらいは受けるべきという気もしている。また昨年の臨床麻酔学会で初期研修医に胸骨圧迫法を指導したが、このように麻酔科医が救急蘇生法の教育に携わっていくのは麻酔科の裾野を広げるのに役立つハズである。
どうなるのか、今後の経緯を見守りたい。