臨床モニター学会
2008年 04月 26日
まず斬新だったのが受付で、当日受付の場合は名前を記入しないといけないのだが、名刺でもOKとのこと。早速私自慢のディプリちゃん名刺をお渡しした。

今回のテーマはアウトカムをかえるモニタリング。モニターが医師の自己満足であってはならいという会長の見識が感じられるテーマで、随所に工夫がなされていた。
今回の目的はSH先生の講演だがそのまえに。

これがBISの新型、BIS Vistaである。本家のwindows同様、失敗作でないことを祈りたい。内部のアルゴリズムは変わっていないが、画面がカラーでタッチパネルになっている。脳波の波形もずっとみやすくなった模様。麻酔科学会でご確認下さい。
SH先生の講演は、レミフェンタニルと脳波モニタについて。
ポイントは、
麻薬は基本的には脳波に影響を与えない。
通常は充分な鎮静の状態では高振幅徐波となるが、レミフェンタニルの麻酔中はあまり高振幅化しないひとがいる。特にTIVAでは多い印象。この場合の評価は難しいが、判断に困ったら麻酔薬濃度を上げてみる。supressionがみられたらその濃度から少し下げて維持する。
また、レミフェンタニルが一定の状態で、プロポフォールの濃度を徐々に下げていくと、BISはずっと40前後で一定だったが、効果部位濃度1.0μg/mlで急に上昇して慌てて濃度を上げたという症例を提示された。どうもレミフェンタニルの麻酔中はBISの評価は難しい印象。
私見も加えると、
患者の鎮静度が深くなると、脳波は徐波化、高振幅化し、その後burst suppressionから平坦脳波化する。BISのDSAの画面でいうと、10Hz付近とδ波の領域にふたつのピークができる。δ波だけになってしまうと深い鎮静となる。これらの変化をBISの値と一緒にいつも確認しながら麻酔するとよい。今日の脳波はいけてないのでBIS値はあてにならないなというのが分かるようになればOKだ。あくまでも簡易脳波計+αと考えるのが妥当である。