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価格と品質

sanuki先生の歩きに対抗するためではないが最近自転車を購入した。その顛末はそのうち休憩室にでも掲載したい。

最近はガソリン価格の高騰やCO2削減から自転車が秘かなブームらしい。自分もそのうち土曜日だけは自転車通勤にしようと思っている。まさに土曜日回診ver.2である。そんな自転車の魅力を伝えてくれるマンガが並木橋通りアオバ自転車店だ。その第20巻にいろいろと考えさせられる話題が掲載されていた。

主人公一行は、1万円で売られている自転車の品質について考えるためにブリジストンの自転車工場へ出かける。そこで目にしたのは自転車メーカーの安全性に対する妥協のない考えだった。製造過程はもちろんだが、使用されるあらゆる悪条件を想定して品質のテストが行われている。それも部品メーカーから購入した部品に至るまでというのだから驚く。これを読むともうメーカー製以外の自転車にはとても乗れません。

これで思い出したのが、注射器の品質だ。私の病院では昨年院内の輸液ポンプをA社に、その代わりに注射器をB社に統一したのだそうだ。そこでB社の注射器だ。これまで注射器に関してそれほどメーカー間での差を感じたことはなかった。ところがである。硬膜外のインフューザーにアナペインを充填する際は、100mlのアナペインとインフューザーを一方向弁付きの連結器でつないで注入するのが一般的と思う。この時注射器は20mlあるいは50mlを使用しているのではなかろうか。当然インフューザーへの充填にはかなりの圧がかかる、B社の注射器はシールが甘くこの充填作業を続けていると薬液が漏れてしまうのだ。これまでのA社の注射器では感じたことがなかったのでやはり注射器間の性能差があるのだろう。ディスポ製品はとかく価格重視で決めてしまいがちだが、こんなことで感染でもおこったらとんでもない。やはりメーカー内でどこまでテストをしているのかなど差はあるのだろう。
以前、山梨の臨床麻酔学会の際にA社の工場を見学したことがある。滅菌の過程はほとんど原子炉並の施設で行われているのに驚いた。私の同級生は市役所の観光課勤務で大人のための社会見学を企画している。麻酔科医のための社会見学というのもあってもよいのかもしれない。
by yamorimo | 2008-02-14 23:31 | その他
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