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remifentanilのhyperalgesiaとpropofol

アルチバを臨床で使う上での懸念のひとつが、使用後のhyperalgesiaとか急性耐性である。
remifentanil使用後のhyperalgesiaがpropofolにより抑制されるというTIVA派には都合のよい研究がA and Aに掲載されている。

ボランティアを使った研究で、電気刺激による疼痛モデルを使っている(かわいそう)。remifentanil単独投与だと、投与中は鎮痛作用があるが投与後は、コントール以上に疼痛スコアが上がっている(hyperalgesia)。これがTCIで1.5μg/mlのプロポフォールを併用するとみられなくなる。
麻薬によるhyperalgesiaはNMDA受容体の刺激作用によると個人的には理解していた。そのため、ケタミンはもちろん亜酸化窒素や吸入麻酔薬はもしかしたらremifentanil使用後のhyperalgesiaを拮抗するのではと思っていたが、この論文の考察ではμ受容体のダウンレギュレーションやcAMP系のアップレギュレーション、ダイノルフィンの放出などを考えており、プロポフォールのGABAとグリシン受容体に対する作用が、remifentanilの作用に拮抗するのではと考えている。また、プロポフォールにもNMDA受容体への作用も考えられているようだ。

アルチバのバストパートナーは誰か?これだけでは結論できないが、プロポフォールとセボフルランで術後痛の状況、鎮痛に必要な麻薬の量を比較する研究等行うと面白そうだ。
by yamorimo | 2007-05-20 23:37 | 麻酔
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