イソフルラン麻酔からの覚醒を早める方法
2007年 03月 15日
吸入麻酔薬からの覚醒時にはどうすればよいだろう。著者らの最近の調査によれば、流量を上げるとともに過換気にしている麻酔科医が多かった。
過換気の問題としてPaCO2の低下とそれに伴う自発呼吸の回復の遅延がある(さらにいえば脳血流量減少による脳組織からのwash outの減少があるはず)。
PaCO2の低下を防ぐため、CO2の吸入(英国で普及している、Tubokawa先生のレポート通り)があるが筆者らはNICOモニタ付属のデッドスペースを使うことで同様の効果がないかを検討した(実際は活性炭入り再呼吸回路を使用している様子)。
麻酔は、イソフルラン-レミフェンタニルで行い術中の呼吸はEtCO2 33mmHgを目標に調節、麻酔終了後ガス流量を増加(10L/min)、呼吸回数の増加(8→16)、用意したデッドスペースを装着しEtCO2が55mmHgになるように容量を調節した。
結果は、抜管までの時間が、18分から7分(平均)に短縮された。
本研究より、吸入麻酔薬からの覚醒を促進するには、hypercapnic hyperventilationが有用であることが明らかとなった。
hyperventilationにより麻酔薬のwash outを早くなるが、さらにhypercapniaにすることで脳組織からのwash outを促進する効果が期待できる。
今後の課題はあるものの吸入麻酔薬からの覚醒時は、hyperventilationで、さらに何らかのCO2レベルを上げる方策の併用が有用であるようだ。CO2が使える麻酔器や本研究で使われているようなデッドスペースが用意できれば試してみる価値はあるだろう。個人的にはうすうす吸入麻酔なのでそれほど必要性は感じないが、