レミフェンタニル入門(11)
2007年 01月 24日
opioid basedの麻酔では術後の悪心・嘔吐が問題になることがある。最近の低侵襲の乳癌手術では術中のフェンタニルの残存効果で術後痛は充分コントロールできるものの、悪心・嘔吐を訴える患者が多いようが印象をうけ対応に苦慮していた。
この点、レミフェンタニルでは効果が速やかに消失するため術後の悪心・嘔吐の頻度も軽減するようだ(Acta Anaesthesiol Scand 2005;49:305)。この研究では形成外科医手術をうける患者を対象に、プロポフォール-フェンタニルあるいはレミフェンタニルで、術後の悪心・嘔吐の頻度を比べている。術後覚醒の状況は差がないが、術後の悪心・嘔吐の頻度はレミフェンタニル群で有意に低かった。
この研究では術後痛にNSAIDS+モルヒネで行っているが、モルヒネの投与量には群間差がない。術後痛のレベルによってはレミ群でモルヒネ投与量が増加し逆の結果となることも考えられる。術後痛がNSAIDsでコントロールできる手術ではこの研究のようにレミが有利だろう。というわけで最初に提示した乳癌手術にはレミが適していると考えているが果たしてどうだろう。
次回は、脳神経外科手術について。