NYSORA教科書、翻訳の第3弾。「困難静脈路確保マニュアル」を発売します。手術室での麻酔、まず静脈路の確保ですが、難しい人は難しい。そんなときの参考に本書を是非お読み下さい。

序文から引用します。
静脈路の確保は医療の現場では最も基本的な手技の一つである。手術室はもちろん救急外来や病棟での輸液など,静脈路がなければ治療を開始することができない。多くの場合,静脈路確保は容易にできるが一定の確率で困難な患者に遭遇する。そんなときはいわゆる達人のワザの出番だが,それらは施設内や人から人へと受け継がれているのみであり,広く共有されてこなかった。そんなとき私が出会ったのが,困難静脈路確保法を解説するNYSORA(New York School of Regional Anesthesia)のYouTube 動画である。本書内でエスマルヒ法として紹介されている方法は,まさに「目から鱗」であり,以後も動画を定期的に視聴するようになった。原著のIntroductionを読むと同様に感じた人が多かったようで,多くの視聴が得られたことが原著の作成に繋がっている。原著を読むと動画のエッセンスはもちろん,解剖から超音波ガイド下穿刺まで多くの項目が網羅されており,日本でもぜひ多くの医療従事者に読んでもらいたいと感じた。われわれはすでにNYSORA による末梢神経ブロックに関する書籍を2冊翻訳してきたが,次の翻訳として本書の出版を企画した。
NYSORA の書籍の特徴は優れたイラストが理解を助けてくれることである。本書でも同様であり,静脈路確保成功へのポイントだけでなく,なぜ失敗するのかを視覚的に理解することで臨床での成功率を上げるのに役立つだろう。
現在,静脈路確保の方法は,末梢静脈,中心静脈以外に末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)やMidlineカテーテルまで多種になった。また,困難な末梢静脈路確保に超音波装置を使用することも一般的になってきている。本書は,末梢静脈路確保に重点を置いているが,ほかの部位や超音波ガイド下法にも触れており,静脈路確保の包括的な教科書として,麻酔科医師だけでなく多くの医師,臨床研修医から看護師まで幅広い医療従事者の日常臨床の助けになることを希望している。
最後に,原著には文章による解説に加えてEducational videos が付いており,本書でも解説内容と関連した動画をスムーズに視聴できるように,随所に関連動画のガイドを付けた。解説は英語であるが聞き取りやすいので,ぜひ視聴して理解を深めていただきたい。
翻訳にあたって,海外と日本での違いを感じる部分には本文中に訳注をつけたが,さらに日本語版追記として13 章を追加した。それ以外の章と併せてお読みいただきたい。静脈路確保手技で1 冊というこれまでになかった書籍なだけに,未完成の部分が多いと感じている。読者の皆様からフィードバックをいただけると幸いである。
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