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電脳麻酔ブログ

日々読んだ論文の要約とAIの臨床での活用法について

QLBとTAPブロックの比較

最近あまり話題にならないQLBだが皮膚分節的にはTAPブロックよりも広い範囲がブロックされていた。臨床的な効果は差がないという報告。
少しQLBを見直してみたい。

はじめに 腹腔鏡下腹部手術後の術後痛は依然として複雑である。外側腰方形筋(QL)ブロックと腹横筋面(TAP)ブロックは類似した技術であるが、いずれかの技術がより広範囲の皮膚分節に及ぶかどうかを検証した研究はない。

方法 腹腔鏡下大腸手術患者を側方 QL ブロックまたは TAP ブロックに無作為に割り付けた。 術後回復室での温度感覚の喪失により測定した、皮膚分節の麻酔の広がりを主要評価項目とした。 明確な皮膚分節の麻酔レベルが定義できない場合は、そのブロックを「不明」と分類した。 副次的評価項目には、オピオイド消費量、疼痛スコア、オピオイド関連の副作用が含まれた。

結果 153人の患者が研究を完了した(75人がQL、78人がTAP)。 氷に対する感覚消失を認めた皮膚分節の平均数(95% CI)は、QL群(4.2(3.7~4.8))の方がTAP群(2.7(2.2~ p=0.0001)、また、QL群ではT8(p=0.01)およびT10(p=0.02)以上の感覚消失がより多く見られた。 不明瞭ブロックはTAPブロックでより多く見られた(p<0.0001)。 24時間後のオピオイド消費量、疼痛スコア、オピオイド関連の副作用については差異は認められなかった。

考察 TAPブロックと比較すると、QLブロックでは、より広範囲にわたるデルマトーマ麻酔が得られ、不確定ブロックの発生率が低かった。しかし、疼痛およびオピオイド消費量については、両者に差は認められなかった。これらの知見の臨床的重要性については、今後の試験で調査する必要がある。


by yamorimo | 2024-11-18 22:05

by yamorimo
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