肺リクルートメント手技が腹腔鏡下胆嚢摘出術後の肩痛
2024年 09月 19日
肺リクルートメント手技が腹腔鏡下胆嚢摘出術後の肩痛発症を軽減するという報告。明日からやってみたい。
J Anesth
目的
肺リクルートメント手技(LRM)は、腹腔鏡手術後の術後痛を軽減することが示されている。本研究では、腹腔鏡下胆嚢摘出術後の肩痛発症率とLRMとの関連性を調査することを目的とした。
方法
2022年7月から2023年3月にかけて、予定された腹腔鏡下胆嚢摘出術を受ける患者110人を対象に、ランダム化比較試験を実施した。参加者は、気腹解除時にルーチンの排気を行う群とLRMを行う群に無作為に割り付けられた。術後の肩の痛みと腹部の痛みの程度は、術後1、4、6、12、24時間後に数値評価スケールを用いて評価した。鎮痛剤の使用量と術後の吐き気または嘔吐(PONV)は、術後24時間以内に評価した。
結果
術後24時間以内の肩の痛みの発生率は、LRM群の方が対照群よりも有意に低かった(26.9%対59.3%; P = 0.001)。肩の痛みの最悪時のスコアの中央値[四分位範囲]は、対照群よりも有意に低かった(3[2–3]対4[3–5.5]; P = 0.003)。LRM群の参加者は、術後4時間および24時間の安静時の腹痛が軽減し、術後24時間の全時点において移動時の腹痛の強度が有意に低かった。オピオイドの消費量または術後悪心嘔吐の発症率については、両群間に有意差は認められなかった。
結論
LRMは、腹腔鏡下胆嚢摘出術後24時間における肩の痛みの発生率と痛みの強さの両方を軽減する。さらに、LRMは、研究期間中の離床中の腹痛の痛みの強さの軽減と関連していた。