Perioperative Regional Anesthesia on Persistent Opioid Use and Chronic Pain after Noncardiac Surgery
2024年 09月 09日
Perioperative Regional Anesthesia on Persistent Opioid Use and Chronic Pain after Noncardiac Surgery
Anesthesia and Analgesia
区域麻酔が手術患者の予後にいい影響を与えるという明らかなエビデンスは実はあまりありません。このメタ解析によると区域麻酔の使用は、術後6ヵ月までの慢性術後疼痛を軽減と持続的なオピオイドの使用が減少する効果が期待されることを示唆しています。
背景
区域麻酔が術後の慢性疼痛の発現に影響を及ぼすかどうかは現在のところ議論の余地があり、オピオイドの長期使用に対する影響を評価した研究はほとんどない。われわれは、非心臓選択手術を受けた成人に対する区域麻酔がこれらの転帰に及ぼす影響を系統的に検討することを目的とした。
方法
MEDLINE、EMBASE、CENTRAL、およびCINHALにおいて、非心臓の待機的手術を受ける成人患者を対象としたランダム化比較試験(開始~2022年4月)で、いずれかの区域麻酔手技を評価し、主要アウトカムである(1)術後のオピオイド使用の延長(術後2ヵ月以上のオピオイド使用の継続)および(2)術後の慢性疼痛(術後3ヵ月以上の疼痛)のいずれかを含むものを系統的に検索した。特定アウトカムについてランダム効果メタ解析を行い、GRADE(Grading of Recommendations, Assessment, Development, and Evaluations)アプローチを用いてエビデンスの質を評価した。
結果
37件の研究がレビューに含まれた。プール推定値によると、区域麻酔は遷延性オピオイド使用の減少に有意な効果を示した(相対リスク[RR]0.48、95%CI、0.24-0.96、P = 0.04、I2 0%、5試験、n = 348患者、GRADE低品質)。慢性疼痛に関するプール推定値でも、術後3ヵ月(RR、0.74、95%CI、0.59-0.93、P = 0.01、I2 77%、15試験、n = 1489患者、GRADE中等度)および6ヵ月(RR、0.72、95%CI、0.61-0.85、P < 0.001、I2 54%、19試験、n = 3457患者、GRADE中等度)で区域麻酔に有利な有意な効果が示された。術後12ヵ月のプール解析では効果は認められなかった(RR、0.44、95%CI、0.16-1.17、P = 0.10)。
結論
本研究の結果は、区域麻酔が術後6ヵ月までの慢性術後疼痛を軽減する可能性を示唆している。また、持続的なオピオイドの使用が減少する可能性も示唆された。