ベートーベンを聴く。その④
私はクラシックはベートーベンとモーツァルトがほとんどでしかも聴いているのはほとんどピアノ協奏曲という偏ったファンである。なかでも1番好きなのはベートーベンのピアノ協奏曲第5番皇帝だ。とにかく格好いい。
モーツァルトの時代のピアノ協奏曲はまずオーケストラで始まり、しばらくしてピアノが登場する。なかなか主役が登場しないのが特徴。ところがベートーベンになっていきなりピアノから始まるようになった。皇帝は出だしの部分でいきなり心をつかまれるのは間違いない。
ピアノ協奏曲のよいのはピアノとオーケストラの掛け合いが楽しめることでピアノ三重奏曲を大がかりにしたものともいえる。その意味で指揮者、ピアノ独奏者、オーケストラの三拍子そろった演奏で楽しみたい。
皇帝のCDで有名なのはルービンシュタインのピアノでバレンボイム指揮のもの。すでに88歳だったというルービンシュタインの演奏は見事という他ない。是非お聴きいただきたい。
ただ個人的にはテンポがスローすぎて面白くない。私の好きなのはケンプのピアノをライトナーが指揮したもの。オケはベルリンフィルである。ケンプはちょっと渋い演奏だがそこがいいかなと思う。バックハウスの演奏もイッセルシュテット指揮ウィーンフィルであれば入手可能である。こちらは録音がもうちょっと。
その他、ポリーニは新旧2枚などなど。名盤は多いが決定版もないのが残念なところ。いつもながら名盤は古くで録音が今ひとつ。最新盤は音はよいが魂がこもっていない感がある。まだCDで各種演奏が入手可能な今ならいろいろ聞き比べが可能である。秋の夜長そんな1日もいいのでは。
ポリーニとカールベーム盤をリンクしておく。