ベートーベンを聴く。初回は交響曲だったが最近のスマホ中心の試聴環境だとちょっと厳しいかもしれない。
そこで今回はピアノ単体のピアノソナタから紹介してみる。いい演奏だとピアノ一台でも交響曲のような迫力が楽しめるのがピアノソナタの醍醐味。しかもスマホとヘッドフォンで楽しむことができる。
ベートーベンは多くのピアノ曲を残しているがその中でピアノソナタは32番まで。いわゆる三大ソナタといわれるのは8番悲愴、12番月光、23番熱情だがその他にも名曲が多い。まず入手すべきは三大ソナタの入ったCDだが容量の関係でもう1曲入っていることもある。
名曲が多いのでしばしばドラマなどで取り上げられてきた。私の印象が強いのは17番テンペスト、水谷豊主演の赤い激流のなかでピアノコンクールの課題曲だった。ちなみに一次予選はショパンの英雄ポロネーズ、二次がリストのラカンパネラである。逮捕され牢の中で布に鍵盤を書いたピアノ?で練習していた水谷豊が印象的だった。使われていたのは第2楽章である。
同様に小泉今日子主演の少女に何が起こったかでは熱情の第3楽章が使われた。やはりコンクールの課題曲。熱情はベートーベンがかなわぬ恋に苦しむ心の中の熱情を表現した曲で爆発力がある。
私の好きなのは悲愴の第2楽章でビリージョエルの名曲This Nightはその一節を利用している。何となくベートーベンの優しい気持ちが心に満ちてくるような気がする。
最後の30番から32番はベートーベンが晩年に到達した悟りの境地のようなものが感じられる別格的な曲。ということで自分のお気に入りの曲がみつかるまでいろいろ試聴してもらいたい。
演奏は指揮がフルートベングラーで決まりなのと同様にバックハウスが定番。こちらも古めで音が悪いがまず聴いてみるべきである。お気にいりの曲がみつかればいろいろお試しいただきたい。私のお勧めはハイドシェック。宇和島でのライブ盤が有名。テンペストの入った盤と三大ソナタの盤のどちらも素晴らしい。悲愴第2楽章の演奏を
リンクしておく。これは宇和島ではなく富山での演奏のようだ。