新型コロナウィルスについての私見その④
2020年 04月 25日
2020年4月25日
大型連休が近づいて来ました。都市部ではStay Homeが定着してきた感がありますが、一方で郊外への流出もみられています。コロナ疲れも囁かれるこの頃ですがもう一息頑張りましょう。
1) 東京の状況
4/19以降の東京都の感染者数は、107, 102, 123, 132, 134, 161と推移しています。コンスタントに100名を超えていますが増加も抑えられているぎりぎりの状況かと思います。
1日の検査数は167~470検体ですので陽性率は50%程度です。
一方、慶応大学は自施設の入院患者あるいは手術を受ける患者に対して検査を行い5.97%の患者さんが新型コロナ陽性であったと報告しています。この方達は発熱などの症状のない方々ですので今の東京では無症状の人でも数パーセントはウイルスを持っている可能性を考えておく必要があります。今後献血を使った抗体検査も行われる予定ですのでより詳細な状況が明らかになると思います。
一方、より感染の広がったニューヨークではお産の患者さんを対象にした検査で無症状の方の13.5%が陽性だったという報告。さらに最近の大規模な抗体検査では14%が陽性だったとされています。ここでよく報道されるPCR検査は現在患者の体内にウイルスが存在すること。一方抗体検査は血液の中にウイルスに抵抗する成分が存在すること、つまり過去に感染したことを示します。これらからニューヨークでは報告されている患者の10倍程度は実際には感染した可能性があること。とすると報告されている死亡率も1/10程度である可能性があることが分かります。ほとんどの人は仮に感染しても無症状か軽い風邪症状で経過。しかし、感染源にはなりえるのかも。一部の人で重篤な肺炎の引き起こすことが考えられます。今後各国の大規模な検査で感染の状況が明らかとなり、その中で重症化する要因が分かってくると対処法もみつかるのではないでしょうか。
報道ではよく検査、検査と主張されていますが、現在の日本では安全に検体を採取するための防護服や採取のための綿棒までも不足気味です。また検査サイドの機器やキット、検査技師も限られています。どんなに頑張っても東京都民1000万人すべてを速やかにPCR検査するのは無理です。より多くの検査が可能になる方向で努力はなされていると思いますが、現状では東京にお住まいの方々は症状がなくても自分が感染源になるという可能性もあると考えて、その意味でも外出を控えていただければと思います。
2) 全国の状況
全国の状況も同様に横ばいですが、長崎県のクルーズ船のようにこれまで感染者のいなかった地域でも何かの原因があると感染が広がってしまいます。大阪や名古屋のような都市部だけでなく今患者数の少ない地方でも都市部に準じた慎重な対応が必要です。
全国の感染者数はほぼ横ばい。死亡者数もここ1週間は10名台で推移しています。注目しているのは回復者数です。4/19からは、58, 80, 117, 68, 70, 62, 126と横ばいから増加傾向です。急増していた時期の患者さんが徐々に回復してくれば医療機関にも少し余裕が出てくるのではと期待しています。
3) 連休中の過ごし方
このように横ばいで経緯しているのですが逆にいうとこのままずるずると推移すると緊急事態が解除されず現在の外出自粛が延々と続くということが危惧されます。
連休を利用してさらに一層の外出自粛をお願いします。ここで一気に感染を抑制していきましょう。とはいえ人通りの少ない早朝などを利用して短時間近所の散歩やジョギングなどを楽しまれたらよいと思います。日差しが強くなったので紫外線の殺菌効果もある程度期待できますが、公園の遊具などは要注意です。お子さんが使用される際は手を口に入れないようにマスク着用、使用後はよく手洗いを徹底して下さい。
買い物はできるだけ一人で行いまとめ買い。車の移動は県内ならよいと思います。ただ事故には注意して下さい。どの医療機関も発熱者などの対応に手がかかるので事故で救急受診にならないように気を付けて下さい。特に県外で発熱はもちろん事故をしても他県では治療が受けられない可能性もあります。決して車で県外へ向かわれませんようにというのが医療従事者からのお願いというか忠告です。
私は部屋を整理して未読の本を10冊程度みつけています。ずっと在宅というのはめったにない機会ですので読書三昧で過ごす予定です。皆様もどうか有意義に過ごせるように考えてみて下さい。