オレキシン受容体拮抗薬
2015年 01月 20日
SASと睡眠障害について
土屋神経内科:土屋先生
日本人は顔の形状的にSASが多い。日本人=SASと考えてもよいくらい。
SASの患者に睡眠薬を投与する場合注意が必要。
使用可能なのは、
マイスリー、アモバン、ルネスタ、ロゼレムと今回発売されたベルソムラである。
ベンゾジアゼピンは筋弛緩作用がありSASの患者では上気道が閉塞しやすい。
メラトニンアゴニストのロゼレムは効かないという印象があるが、初診の人に処方するとよい。筋弛緩作用がなく、SASとは無関係である。
不眠症治療における新たな選択
愛媛大学岡先生
睡眠の経過
一晩でNonREM睡眠とREM睡眠が対をなして約90分の間隔で4-5サイクル繰り返される。REM睡眠は睡眠の後半に多くなる。
睡眠促進系:GABA
覚醒系:オレキシン神経、モノアミン神経
睡眠物質の蓄積(恒常性維持機構)
覚醒で睡眠物質が蓄積し、入眠で低下する
睡眠負債の返済:平日短時間睡眠で休日に長く寝る
寝だめはできない
サーカディアンリズム
体内時計:視交叉上核
深部体温は昼間高く、夜低くなる
メラトニンは夜間高い→夜か昼かを決めるホルモン(夜行性動物でも夜間高い)
Morning sunlight→視交叉上核を刺激→覚醒
夜間の光→メラトニンを抑制(夜は暗めに)
アルツハイマー
メラトニン分泌量↓
ピークがばらつく→昼夜逆転
不眠の原因
一過性の不眠→誤った考え方の形性→不眠不安→安全行動→認知身体的覚醒→慢性的な不眠
オレキシン
外側視床下部
ナルコレプシー(NC)
日中の眠気
REM睡眠関連症状
カタプレキシー(情動脱力発作)
入眠時幻覚:入眠時にいきなりREM睡眠
睡眠麻痺(金縛り):REM睡眠の状態から覚醒
頻度:600人に一人
カタプレキシーを伴うNC
約9割の症状でオレキシン↓↓
オレキシンを産生できない(自己免疫)
オレキシン低下→コリン系↑(REM睡眠)、モノアミン系↓
2次性過睡眠
視床下部の梗塞などによるオレキシン産生低下
睡眠障害の治療
非薬物療法
睡眠衛生
認知行動療法(保険適応なし)
精神療法
薬物
日本では不眠時にアルコールに頼る傾向
BZP系睡眠薬
非BZP系睡眠薬(化学構造的にベンゾジアゼピン骨格を持たない)(ω1受容体選択的、筋弛緩作用なし、抗不安作用なし)
ラメルテオン(ロゼレム)
メラトニン→松果体→視交叉上核(体内時計の中枢)
切れ味劣る
スプレキサント(オレキシン受容体拮抗薬)
覚醒システムを抑制