NYSORA参加記④
2013年 10月 01日
現在長時間作用性の局所麻酔薬の開発が各種進んでいる。すでに米国で発売されているのがEXPARELである。

EPARELは創部に注射器で浸潤麻酔することで72時間を越える作用が期待できる超長時間作用性の局所麻酔薬。DepoFoamとよばれるmultivesicular liposomal drug delivery technologyを使用した徐放性のブピバカインである。EXPARELは、extender-release loposomal bupivacaineの略。
TKAなど多くの創部浸潤麻酔が適応。神経ブロックや硬膜外への応用も進んでいるとの講演だった。これで登場すると、神経ブロックの頻度が減り、ブロック症例でも持続ブロックは激減する可能性がある。
この他、各種の技術で徐放性の局所麻酔薬の開発が進んでおり、将来有望な分野と考えられる。
次は、持続末梢神経ブロック用のカテーテル。Kessler先生曰く、catheter over needle。B BraunからContiplex-Cの名称で発売される。針金のような穿刺針の上にカテーテルが覆っている構造で、針を適切な位置に誘導したら、その位置にカテーテルを留置することができる。

こちらはソノサイトのニードルガイドシステム。専用のプローブとおそらく専用の穿刺針を使用。画面上に穿刺針の進行方向と深さが表示され、これに実際の超音波画像をみながら穿刺する。針の刺入角度が変えられないようだったが英語の問題かもしれない。

こちらはMcDonnel先生のTAPブロックの概念図。

これをみると彼のいうTAPブロックが我々の考えている超音波ガイド下TAPブロックとは違うモノであることが分かる。この位置に局所麻酔薬を投与すると後方に広がり傍脊椎腔まで到達するというMRI画像も示されていた。今後はこの位置へのブロックも考慮している必要があるだろう。
つづく。