超音波ガイド下末梢神経ブロック 実践24症例その②
2013年 05月 18日
これまでの神経ブロックの教科書は海外のモノを含め主としてブロック手技の解説に偏っていました。これではブロックはできてもそれを実際の症例にどのように生かせばよいのかが分かりません。
実際に末梢神経ブロックを併用して全身麻酔を行うと、これまでとは考え方を変えていく必要があります。例えばブロックはこの症例ではどのような侵襲を抑制できるのかを考えて、必要に応じてレミフェンタニルやフェンタニルなどのオピオイドを併用していきます。一方で、何も考えずにどんどんフェンタニルを使うと、術後に痛みをないものの悪心・嘔吐が強いといった副作用が前面に出てしまいます。
今後の全身麻酔は、局所浸潤麻酔や硬膜外麻酔を含めた区域麻酔をうまく活用しつつ、オピオイド、NSAIDs、さらにケタミンなどを使っていわゆるmulti-modalな鎮痛を行っていくのがトレンドになっていくと考えられます。
そんな意味では本書は単に神経ブロックの教科書ではなく、最新の全身麻酔を理解する一助になると位置づけることができると思っています。