日本臨床麻酔学会③
2012年 11月 05日
デスフルランを使ってみると分かるのだがこの麻酔薬は低流量麻酔必須である。多くても2L/minくらいで使わないと消費量が多すぎて使いにくい。ただ低流量麻酔では気化器の設定濃度と実際の呼気濃度との差が大きくなるという欠点がある。そこで登場したのがエイシスのEtControlである。
新しいエイシスでは通常のモード以外に、EtControlモードを選択できる。このモードではあたかも静脈麻酔薬のTCIのように目標とする呼気吸入麻酔薬濃度を設定するとその濃度になるように自動的に吸入濃度を調節してくれる。ガス流量は最低流量を設定、麻酔ガス濃度を変化させる際は流量を増やして速やかに濃度を変化させる。
もちろんよく分かっている麻酔科医にとっては不要な機能だが安全に低流量麻酔を行うには有用な機能であろう。
ということで、デスフルランの登場で一気に低流量麻酔の時代が到来した感がある。この変化は国内の麻酔器にも大きな影響を与えるのは必至である。少なくとも10年以上前の麻酔器では現在の吸入麻酔には対応できない。