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電脳麻酔ブログ

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レミフェンタニルの話題など④

レミフェンタニルとシバリングに関する最新の論文を紹介したい。

An intraoperative small dose of ketamine prevents remifentanil-induced postoperative shivering. Anesth Analg 2011;113:484

昨年もレミフェンタニルとシバリングに関する論文を出されているNakasuji先生からの報告。
少量のケタミンがレミフェンタニル麻酔後のシバリングを抑制するかを検討している。

方法
婦人科の開腹手術患者を対象。
ケタミン群は、0.5mg/kgを投与後0.3mg/kg/hで手術終了まで投与。
対照群、ケタミン群ともにミダゾラムの前投薬。硬膜外。麻酔はプロポフォールとレミフェンタニル(0.25μg/kg/min)で維持。プロポフォールはBISが30~50の間にコントロール。
硬膜外はロピバカインを持続投与。フェンタニル100μgを終了前に硬膜外投与。ドロペリドール1.25mgも投与。

結果
両群で差があったのは術中のBIS値で、ケタミン群で高かった。
抜管までの時間には群間差はない。
シバリングの頻度はケタミン群で6%、対照群で38%とケタミン群で低かった。

この結果から考えるとレミフェンタニル麻酔後にシバリングが多いと感じている施設ではケタミンの併用を考慮することが解決のひとつの方法であろうといえる。平均年齢40歳くらいなのでこの量だが、投与量は症例によって考慮する必要はあるだろう。

レミフェンタニルの0.25μg/kg/minというのは多い量ではないが、硬膜外をきっちり使った上でこの量というのは相対的に多いのかもしれない。

この研究は昨年の臨床麻酔学会で私が座長をさせていただいたもので、最近H大学の先生方とお付き合いが増えたこともあり、開腹手術では個人的にも積極的にケタミンを使用している。量としては0.25-0.5mg/kgの1回投与に留めている。
by yamorimo | 2011-08-30 00:16 | 麻酔

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