超音波ガイド下CV穿刺を考える④
2011年 07月 23日
内頸静脈はなんちゃって穿刺でもほぼ安全に穿刺可能です。一方腋窩静脈はより深部に位置することと、下に肺があることからmethodをよく理解して経験を積まなければ動脈穿刺や気胸のリスクが高くなります。
私の施設では内頸静脈の穿刺を超音波ガイド下で30例程度。超音波画像上、針のコントロールが自信を持ってから施行することにしています。
血管はできるだけ直線化する必要があります。このため上肢は90°外転させます。この方が鎖骨が上に上がりプローブを置くスペースも得られます。
プレスキャンでは、血管までの距離、肺までの安全域、動静脈の重なりなどを考えて最適の刺入位置を決定します。基本的には末梢になるほど、気胸のリスクは少なくなりますが、皮膚からの距離が大きくなります。また静脈は末梢ほど深部にあり、鎖骨に向かい浅くなりますので血管に直角に超音波ビームを当てるには皮膚に対してやや傾ける必要があります。
以前、Tokumine先生の方法で穿刺するとガイドワイヤーが末梢へ向かうという話を聞きましたが、これはプローブの角度の問題だと思います。
これは私の穿刺位置での平均的な超音波画像です。ほぼ皮膚から2cmの場所への穿刺であることが分かります。使用する穿刺針を内頸静脈用の短い穿刺針にすれば気胸のリスクは避けることができます。
穿刺後は、カテの走行をできるだけ確認します。特に右内頸静脈内にカテーテルがないかどうかを確認します。カテの存在が疑われると生食20mlくらいを注入すると確認が容易です。
仕上がりはこんな感じです。、血管にヒットした部分ですこしノッチができるのが特徴です。
最後に動画です。弟子作なので、超音波画像が左右逆なのはお許し下さい。
次回より平行法に移ります。