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超音波ガイド下CV穿刺を考える①

臨床麻酔学会のメルマガによれば、学会では超音波ガイド下CV穿刺に関する企画が予定されているという。大変楽しみであるが、超音波ガイド下CV穿刺について正しい方法が理解されているのか不安を感じるときがある。末梢神経ブロックではハンズオンが盛んに開催されているが、CV穿刺に関しては何となくやっている人が多いのではないだろうか?そこで大げさなタイトルではあるが少し超音波ガイド下CV穿刺を考えてみたい。

まず交差法について。最近読んだ本に気になる図が記載されていた。
超音波ガイド下CV穿刺を考える①_a0048974_2232472.jpg



穿刺のポイントは超音波ビームに対して針を60度以上の角度で穿刺することと記載されている。交差法での針先は、針と超音波ビームが交差した一瞬しか確認することができない。このポイントをよりクリアーに確認するには確かに針とビームはできるだけ平行がいいのだが、この図には落とし穴がある。実際に針が血管に当たるのは超音波でみえている画面のより中枢側である。もちろん内頸静脈であれば大きく蛇行することはないが、この方法で穿刺すると、針先と超音波プローブの関係が直角ではなかったり、プローブが血管に直角に当たっていないと、画像上は静脈を穿刺しているのに動脈に当たったということにもなりかねない。血管が浅い場合は問題ないが(写真などから小児中心で行っている人が記載した可能性)、腋窩静脈穿刺では厳しい方法といえる。ちなみに、私も橈骨動脈穿刺を交差法で行う場合は、プローブと穿刺針は60度かそれ以上の角度を付けて穿刺している。
ではどうしたらよいのか。

超音波ガイド下CV穿刺を考える①_a0048974_22105659.jpg


もう少し簡略化して記載してみる。皮膚から血管までの距離を1cmとし、ビームと針の角度を60度にした場合、ちょうど血管上でビームと針が交差するにはピタゴラスの定理からプローブの中心から1.7cm離して穿刺しなければならない。ここまで離してしまうと、針がビーム上に来るまでは穿刺者は超音波画像から何の上方も得ることはできない(①)。むしろ、②のようにプローブ近くから穿刺することで、針の動きを組織の動きとして画像上で確認できた方が安全性は高くなる。この場合はビームと針の角度は30度くらいになる。

実際の内頸静脈は皮膚に平行に走行していないことがあるので、プローブの当て方も皮膚に垂直ではなく、血管に直角になるように少し傾けた方がよい。平行法とはいっても、血管を短軸、長軸で充分観察した後に穿刺することが重要である。

しばらく交差法のお作法について、私見を述べたい。
by yamorimo | 2011-06-30 22:20 | 中心静脈穿刺
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