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輪状甲状膜切開キット

先日紹介したJSAのアルゴリズム(案)では、各手術室近くに輪状甲状膜切開キットの常備を求めています。

そこで輪状甲状膜切開キットについて紹介します。
キットには、セルジンガー法によるタイプと直接穿刺のタイプがあります。どちらも一長一短ですので各施設でご検討下さい。
セルジンガー法によるキットには、メルカー(クック ジャパン)とミニトラックII(スミスメディカル)、直接穿刺にはクイックトラック(スミスメディカル)があります。

まずスミスミディカルさんの資料をご覧下さい。輪状甲状膜切開の説明から、クイックトラック、ミニトラックまで詳しく説明されています。

メルカーはDAM実践セミナーで使われており、最もお勧めです。ミニトラックIIの穿刺針が使いにくそうなのに対して、こちらの穿刺針は中心静脈穿刺でなじみのあるものです。
輪状甲状膜切開キット_a0048974_20161519.jpg



穿刺針は金属針とテフロン針。ガイドワイヤーは先端の10cmが柔らかくなっています。硬い部分まで挿入しないとダイレートに失敗します。
輪状甲状膜切開キット_a0048974_20183758.jpg



ダイレーターとカニューレ。血管用のシースよりもやや太め。写真はID4.0mmで7cmのタイプ。詳細な挿入法は、添付の説明書を参照するか、Difficult Airway Managment 気道管理スキルアップ講座を購入して下さい。これはよい本です。

最後は練習が重要。練習回数が4回目で成功率が90%を越えることが報告されています。また、シミュレーターだけでなく、豚の喉頭で体験しておくといいと思います。

この種のデバイスで申し訳ないのは、使用頻度が低いので手術室だけだと、サンプルをもらうだけでOKということです。術後の喀痰吸引などに使えますのでトータルで考える必要があります。

通常のシミュレーターによるトレーニングに関しては、うちの病院でも7/3にDAMセミナーを予定していますので、ご興味あればご連絡下さい。
by yamorimo | 2011-06-03 20:26 | DAM

by yamorimo
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