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電脳麻酔ブログ

日々読んだ論文の要約とAIの臨床での活用法について

レボブピバカインと末梢神経ブロック①

そろそろレボブピバカインが伝達麻酔にも適応が拡大される。そこで現在主に使用されているロピバカインと比較して末梢神経ブロックに使用した際の特徴について文献を紹介してみる。
とりあえず新しめのところから。

Fournier R, et al.
Levobupivacaine 0.5% provides longer analgesia after sciatic nerve block using the Labat approach than the same dose of ropivacaine in foot and ankle surgery. Anesth Analg 2010;110:1486

方法
足関節骨折、あるいは外反母趾手術をうける患者80名を対象。
0.5%のレボブピバカイン、あるいは0.5%のロピバカイン20mlを使用して、坐骨神経ブロックを施行。臀下部で神経刺激で行っている。手術はブロックのみで施行。

結果
sensory, motor blockの発現時間は同じ。sensoryで15分、motorで30分くらい。
不完全なブロック率にも差はなし。7.5%

術後最初の鎮痛薬投与までの時間は、
レボで1605分、ロピで1035分とレボブピバカインで約1.5倍長いという結果。
その分、motor blockの時間も長い。1187分と925分。
鎮痛薬を必要としなかった患者は、レボで25%、ロピで7.5%とレボブピバカインで有意に少なく、術後のモルヒネ投与量も同様であった。

私見
同濃度で同容量の麻酔薬を使用した場合、明らかにレボブピバカインの方が作用持続時間が長いのは明らか。
ただ、1187分もmotor blockが続いてもいいのだろうかとも思う。適切な濃度についてはもう少し考えた方がよさそうである。
by yamorimo | 2011-04-17 23:21 | PNB

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