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電脳麻酔ブログ

日々読んだ論文の要約とAIの臨床での活用法について

パーカーチューブの威力

本日は、時間内に手術室業務が終わってほっとしていたところに病棟から緊急コール。術後人工呼吸をしていた患者を抜管したところ呼吸状態が悪く再挿管もできないという。

早速、挿管困難セットとクーデックビデオ喉頭鏡を持参して病棟へ。ちなみに先週私が挿管したときはコルマックグレード3でGEBを使用した。
まず、ビデオ喉頭鏡で観察してみる。喉頭蓋の確認なんとかできたが声帯は全く見えずやはりグレード3。GEBを挿入してみたが患者が咳き込むものの挿入できず断念。なお、最近は余裕があればできるだけビデオ喉頭鏡でみんなで確認しながら行うことにしている。
そこで病棟へ常備しているエアトラックを挿入してみる。声帯周辺は浮腫が強く声帯の確認は困難だったが、かろうじてココかなという部分がある。挿管チューブ(6.5)の挿入はできず、GEBがなんとか入った。この種の症例で筋弛緩薬を使用するかどうかはケースバイケースだが、この症例ではGEBが声帯らしき場所にはいったら患者が咳き込んだので気管内を確認することができた。
ところがポーテックスの6.5のチューブが声帯を越えない。教科書的に反時計回りに回転してみるが全く入らず。なんとか21cm(小柄な女性)の深さだったので換気を試みるととりあえずOK。しかし胸部X線写真ではまったく挿管チューブが確認できない。
担当医にこの状態での気管切開を提案するが、家族が帰った後ということで再トライすることになる。
そこで手術室に帰りスパイラルのパーカーチューブを準備。6.0でチューブエクスチェンジャーを通ることを確認して挿管チューブ入れ替えを行ってみる。
今回は、何の抵抗もなくチューブが挿入できた。もちろんサイズがワンランク下がっているのだが改めて挿管困難例でのバーカーチューブの有用性を確認することができた。

今日の教訓。
挿管困難セットには6.0のパーカーチューブ。
by yamorimo | 2011-02-17 23:35 | 麻酔

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