i-gel

今年の日本の麻酔科界での話題のひとつにi-gelの発売があるのは間違いない。
ようやくサンプルを入手したので早速試用してみた。

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全体の雰囲気はクラシックタイプのLMAを短くした感じ。先端の緑色の部分はゲルという感じで、再使用は難しそうである。

挿入の容易さと換気の状況はLMA-Supremeと遜色ないか優れているくらい。カフを入れなくてもよいのはちょっと寂しい。
LMAは挿入の際に先端がめくれてしまうことがあるようで、この点がi-gelの有利な点といわれているようだ。実際に、Supremeの挿入がうまくいかないときはガムエラスティックブジーをまず食道に入れておいて、胃管挿入孔にブジーを通して挿入するとうまくフィットする。この手間がなくなるのであればSupremeよりも有用だろう。
Supremeの欠点はやや硬いためか、頭部の角度によってはフィットが悪くなる(肩の手術での使用時など)、この点はi-gelでは未確認である。

i-gelの欠点は胃管が挿入しにくいという点にある。
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Supremeは14Frが簡単に入る。この容易さは気管挿管の患者よりも有利であるが、i-gelでは12Frがかなりきつめにしか入らない。孔の大きさ以外に材質の問題もあるようだ。従って、両者は排他的というよりは症例により使い分けるということになるのかもしれない。施設による症例の差や好みの問題もあるだろう。

ブリディオンが出たことで、筋弛緩薬を使用しなくてもよいというLMAの特徴はあまり関係なくなってきた。私の施設では実際に挿管と同様に筋弛緩薬を使用してブリディオンで拮抗している。これも陽圧換気が挿管と遜色なく可能で、胃管も挿入できるLMA-Supremeのおかげなのだが、挿管チューブとの価格差をどのような点に見いだしていくのかが今後の課題だろう。

そのうち気管挿管、まだ行いますか?という時代が来るのかもしれない。
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by yamorimo | 2010-09-08 22:32 | 麻酔
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