TIVA再入門ヨーロッパ外伝②
2010年 06月 25日
先日のKenny先生の講演でのTIVAのメリットに実はTIVAの方が術後痛が少ないというのがあったのだが、エビデンスは一つの論文だけなので無視していた。
この論文については既に紹介している。
Anesthesia Analgesiaの最新号(July)には、プロポフォールとセボフルランによる麻酔を比較し、プロポフォールの方が術後痛がすくないという報告が掲載されている。
対象は日帰り手術をうける婦人科手術患者。麻酔はセボフルランで導入してセボフルランで維持またはプロポフォールで導入してプロポフォールで維持(TCIではない)。どちらもBIS値40を目標。
両群ともに麻酔導入前にアルフェンタニル0.5mgを、さらに麻酔導入後にアセトアミノフェン1gを静注、ジクロフェナック75mgの静注とデキサメサゾン4mgとオンダンセトロン4mgの投与を受けている。
術後のVASはプロポフォールで有意に低値だった(差はせいぜい1cmくらい)。
この研究では麻酔の詳細が記載されておらずどの程度の濃度のセボフルランで維持されていたのか(プロポフォールも)不明である。手術時間が37分程度だが、アルフェンタニルは導入前1回投与でよいのだろうかなどいろいろ疑問は残るのだが、またひとつプロポフォールの方が術後痛が少ないというエビデンスが得られたことになる。
エディトリアルではVASで1cmくらいの差は麻酔科医が日々の臨床で実感できないレベルだろうみたいなコメントが書かれている。
またこの論文にPROあるいはCONの立場から短い総説が掲載されている。
低濃度の吸入麻酔薬はhyperalgesiaを引き起こす可能性があるというのがひとつの機序として考えられているようだ。
この種のごく軽度の差を重視するかどうかについてはエディトリアルで書かれている。
例えば以前LMAで気道確保した方が挿管よりも術後痛が軽いという論文も紹介したことがある。こじつけると、LMA+TIVAというのがポイントになるだろうと考えている。
この論文については既に紹介している。
Anesthesia Analgesiaの最新号(July)には、プロポフォールとセボフルランによる麻酔を比較し、プロポフォールの方が術後痛がすくないという報告が掲載されている。
対象は日帰り手術をうける婦人科手術患者。麻酔はセボフルランで導入してセボフルランで維持またはプロポフォールで導入してプロポフォールで維持(TCIではない)。どちらもBIS値40を目標。
両群ともに麻酔導入前にアルフェンタニル0.5mgを、さらに麻酔導入後にアセトアミノフェン1gを静注、ジクロフェナック75mgの静注とデキサメサゾン4mgとオンダンセトロン4mgの投与を受けている。
術後のVASはプロポフォールで有意に低値だった(差はせいぜい1cmくらい)。
この研究では麻酔の詳細が記載されておらずどの程度の濃度のセボフルランで維持されていたのか(プロポフォールも)不明である。手術時間が37分程度だが、アルフェンタニルは導入前1回投与でよいのだろうかなどいろいろ疑問は残るのだが、またひとつプロポフォールの方が術後痛が少ないというエビデンスが得られたことになる。
エディトリアルではVASで1cmくらいの差は麻酔科医が日々の臨床で実感できないレベルだろうみたいなコメントが書かれている。
またこの論文にPROあるいはCONの立場から短い総説が掲載されている。
低濃度の吸入麻酔薬はhyperalgesiaを引き起こす可能性があるというのがひとつの機序として考えられているようだ。
この種のごく軽度の差を重視するかどうかについてはエディトリアルで書かれている。
例えば以前LMAで気道確保した方が挿管よりも術後痛が軽いという論文も紹介したことがある。こじつけると、LMA+TIVAというのがポイントになるだろうと考えている。
by yamorimo
| 2010-06-25 23:28
| 電脳麻酔学入門