TIVA再入門⑭
2010年 05月 03日
プロポフォールは蛋白結合率が高く約97%が蛋白と結合しています。薬理活性のあるのは蛋白と結合していない残りのプロポフォールですね。
このため血清の蛋白濃度が低下して、このフリーのプロポフォールが増えると薬理作用が増強します。
麻酔維持期に考えないといけないのは、大量出血や人工心肺使用時です。
人工心肺中のプロポフォールは、体温の変化、臓器血流量の変化に血液希釈の問題がからむので適正な使用量というのはかなり難しくなります。BIS自体も心肺からの離脱時にはマイクロエンボリなど脳の障害の影響もからんできます。
出血時も同様に蛋白濃度の低下と、もし心拍出量も低下すれば肝血流量が低下してプロポフォール濃度が上昇する可能性があります。大量出血が予測させる手術ではこだわりがなければTIVAを避けた方が安全です。