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TIVA再入門⑬

TIVA再入門。今回は麻酔維持期に知っておきたいことなどです。

前回説明したように、麻酔維持中はレミフェンタニルの影響などでBISでプロポフォールの効果を判断するのが難しくなります。そこで、手術開始前にレミフェンタニルのdoseを下げた状態でBISが40-50になるようにプロポフォールの目標血中濃度を設定してあとはあまり変化させずに維持することを勧めています。術中の調節は基本的にはレミフェンタニルで行います。
しかし、いろいろな要因でTCIで一定にしていてもプロポフォールの濃度は変化してしまいます。最も注意が必要なのは心拍出量です。

心拍出量の影響については「臨床麻酔」3月号の中尾先生の総説に紹介されているので参照して下さい。基本的には心拍出量が高くなるとプロポフォールの血中濃度は低下し、低くなると血中濃度は高くなります。従って、レミフェンタニルの併用は心拍出量を低下させてプロポフォールの血中濃度を高くすることが知られています。一方、カテコラミンの使用はプロポフォールの血中濃度を低下させる可能性があります。
このような理由でsepticなハイパーダイナミックの症例ではTIVAを避けた方がいいだろうと思います。
一方でこれは私見ですが、覚醒時に心拍数が40くらいの人はアトロピンで心拍数を上がるとすぐに覚醒するような印象も持っています。

この他プロポフォール麻酔中の注意点については「麻酔薬の薬物動態」(真興交易)が詳しいです。今日から実践できるTIVAとTIVA2、そして麻酔薬の薬物動態の3冊はTIVAを実践する上での必読書です。
by yamorimo | 2010-04-29 21:28 | 電脳麻酔学入門
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