後半は、日本医大の鈴木先生。ロクロニウムの講演でもお馴染みですね。
ブリディオンが変えるこれからの筋弛緩コントロール
- one minutes onset and one minute offset -
スガマデックスの投与量の目安
ロクロニウム投与直後 16mg/kg
1-2 in PTC 4mg/kg
T2 in TOF 2mg/kg
スガマデックスは血中のfreeのロクロニウム濃度を下げることで神経筋接合部からロクロニウムを血中に引き戻す
スガマデックスとロクロニウムの複合体は尿中へ排泄
腎不全患者では半減期1000時間程度(透析でどの程度抜けるかはまだ不明?膜にもよる)
結合率
ロクロニウム 100とすると
ベクロニウム 32
パンクロニウム 14
ベクロニウムの拮抗には倍量が必要
今後のロクロニウムの使用としては持続投与が増えるだろう
重症筋無力症患者にもロクロニウムとスガマデックスの使用で安全に管理できたとの報告がある
妊婦に対しては、胎盤を通過しない
乳汁には少量移行するが、消化管からは吸収されないので安全
スガマデックス投与に再挿管が必要になった場合
EU諸国では次のロクロニウム使用まで24hあけるとされている
日本ではロクロニウム or ベクロニウム or SCCしか選択がない
このためロクロニウムを1mg/kg以上使用するのがよいだろう
作用発現は3分とやや時間がかかる
作用時間は短くなるので筋弛緩モニタは必要
スガマデックス投与から30分以後であればロクロニウムは迅速に作用
ロクロニウムやベクロニウムによりアナフィラキシーショックが起こった場合にスガマデックス投与は有用かも(どうやら先週SH先生が質問された様子)
ワゴスチグミンとスガマデックスの併用はメリットがないので勧められない
サクシニルコリンの作用持続時間よりもロクロニウムとスガマデックスの併用の方が持続時間は短い(もうサクシニルコリンは必要ない)
つまりこれまでは短時間での作用発現を期待して1mg/kgのロクロニウムを使うと、CICVになった場合だけでなく、短時間の手術ではちょっと困っていたがこれがスガマデックスで拮抗可能ということでよりロクロニウムが使いやすくなったということだろう
最後に2人の演者とももうネオスチグミンは使用せず、全例スガマデックスを使うということで締めくくりとなった