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TIVA再入門⑫

今回は高用量レミフェンタニルと脳波変化について実際の症例を示します。

30歳台の男性で、膝の関節鏡手術(ターニケットなし)の麻酔例です。

LORのプロポフォール濃度は1.5μg/mlであり、目標血中濃度を2.5μg/ml、レミフェンタニル0.1μg/kg/minに設定しましたが、BISが50を超えているので少しプロポフォール濃度を上げて2.7μg/mlで維持しました。
この段階で、BISは45前後で安定しています(図上段)。
手術開始前にレミフェンタニルを一時的に0.5μg/kg/minにあげた後、0.25μg/kg/minで維持しました。BIS、血圧、心拍数ともに手術開始後もほとんど変化せずいい感じで麻酔が維持できています(図中段)。脳波も手術前とほとんど変化しません。
ここで、レミフェンタニルを0.5μg/kg/minにあげてみます。濃度が安定する15分後くらいから、脳波の振幅が小さくなり、脳波自体も軽度徐波化してきました。このような脳波では通常BISは30台になります。
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この様なレミフェンタニルの脳波への影響を考えると、手術執刀前にレミフェンタニルのdoseを低下した状態で維持に必要なプロポフォール濃度をある程度評価しておいて手術中はあまり変えない方がいいと考えています。こんな感じで維持すると例のtriple lowになってしまうのですが、麻酔の考え方が違うのでこれは許容されるのではないでしょうか?

今のところ高用量のレミフェンタニルでBISが低下しているからといって、プロポフォール濃度を低下させるのは危険だと思います。

次回は麻酔維持中に知っておきたいtipsなどです。
by yamorimo | 2010-04-10 22:01
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