Cerebral Perfusion Expert Share Views on Management of Head-Up Cases

以前ビーチチェアー位と脳低灌流について取り上げたが、apsfのnewsletterでは継続的に取り上げられている。最新号ではCerebral Perfusion Expert Share Views on Management of Head-Up Casesについてのワークショップの内容が紹介されている。

いくつか紹介してみる。
Dr. Cullen
血圧はbaselineレベル付近に保たれるべきである。以下を推奨。
1)深麻酔を避ける。
2)急激な体位変換を避ける。
3)充分な輸液
4)必要に応じて昇圧剤
5)脳と測定部位との差を考慮して血圧を補正する(1cmについて0.77mmHg)。

baselineレベルの血圧というのは日常の血圧あるいは麻酔導入前のことか?
血圧の補正は必要ないという意見も他の演者からあったが、せいぜい10mmHgくらいだろう。

Dr. Sessler
吸入麻酔薬とBISを使った24000例の検討から、
平均血圧75mmHg以下、BIS<45、MAC<0.7の状態をtriple lowとよび、この状態が20分以上継続すると入院期間が長期化し死亡率が3倍になるとした。しかし、triple lowになってから5分以内に昇圧剤を使用すると死亡率は上昇しなかった。

自分の麻酔ではほとんどtriple lowになっているのだが、、、
まあ、麻酔法にもよるのだろう。

Dr.Munis
cerebral perfusion pressure should be maintained at or near awake levels by keeping the blood pressure at baseline awake level.

Dr. Souter
脳虚血を避けるためのモニタの重要性について。
局所麻酔によるCEAの時のデータから、充分な脳灌流のモニタとしてはTCDとNIRSが有用。理想的には多くの部位のモニタ(前側と後ろ側)がよい。いわゆるウィルスの動脈輪が存在する脳は34.5%しかなかった。

ビーチチェアー位の手術にルーチンでTCDとNIRSを使える施設は日本にはないだろうが、どこかでデータを取ってくれるといいのでは?

Dr. Drummond
脳血流の自己調節の下限は健康で高血圧のない人では70mmHgと考えるべき(従来の50mmHgではなく)。45%の人はウィルスの動脈輪が不完全である(上と同様)。

Dr. Lanier
今後の大規模調査の必要性について。
ビーチチェアー位の手術で、術中の血圧と術後脳機能障害について。
NASAはすでに進歩した脳モニタを持っており医学領域に応用できるかも。

いろいろな大家がいろいろな視点で考えを述べている発表の要約しか掲載されていないので、結局どうなの?という部分があるが目を通しておくべきだろう。

私見では、
ビーチチェアー位はできるだけ避ける。この文章にもあったが、肩の関節鏡はビーチチェアー位あるいは側臥位で行われるので、側臥位で行えばよい。
あとビーチチェアー位の適応は上腕骨の骨折など肩周辺の手術でしかも高齢者が多い。この場合もできるだけヘッドアップを少なくして、あとは血圧を高めに維持する。可能ならNIRSモニタを装着するということになるだろう。
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by yamorimo | 2010-03-27 21:31 | 麻酔
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