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TIVA再入門その⑦

TIVA再入門の7回目です。

これまで患者LORの時点でのプロポフォール効果部位濃度の重要性と麻酔導入での注意点について説明しました。
そこで自験データーからこのLORでのプロポフォール効果部位濃度に影響する因子についてまとめてみます。

まず、年齢の影響です。プロポフォールは高齢者では薬物動態からも感受性の面からも効きやすくなることは知られています(Anesthesiology 1999;90:1502)。実際にはどうでしょう。

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横軸は患者の年齢、縦軸はLORでのプロポフォール効果部位濃度を示します。80歳以上のデーターがないのですが、少なくも15歳から70歳くらいまではそれほと就眠に必要なプロポフォール濃度は年齢の影響を受けないように思います。これは鎮静に使ったときのデータ(今日から実践できるTIVA参照)でも一緒です。70歳を超えると低下する印象があります。

性別はどうでしょうか。プロポフォールからの覚醒は女性で早いことは報告されています。自験データーではわずかに女性で高い濃度で就眠し覚醒しますが大きな差はありません。

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それでは体格はどうでしょう。BMIとLORでのプロポフォール効果部位濃度を検討してみます。

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縦軸がBMIで横軸がプロポフォール濃度です。BMIとプロポフォール濃度にはそれほど相関はみられません。女性では弱い相関はありそうです。
肥満患者へのプロポフォール投与については改めて取り上げたいのですが、基本的には実体重ベースの投与で問題ないと思われます。むしろ標準体重に補正した場合は術中覚醒の報告がいくつかありますので危険です。

次回は、麻酔導入中にいろいろ話し始めてなかなか就眠しないケースを考えてみます。
by yamorimo | 2010-03-15 23:13 | 電脳麻酔学入門
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