初期研修医のためのにこにこセボフルラン麻酔

以前作った初期研修医のための「にこにこセボフルラン麻酔」を改訂しました。簡単で確実、しかも考えるセボフルラン麻酔を目指して解説しています。ダウンロードはこちらから。
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# by yamorimo | 2015-05-19 23:03 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)

周術期管理における区域麻酔の役割③

周術期管理における区域麻酔の役割のつづき。

今日は麻酔管理と癌の関係。
近年、癌患者に対する周術期管理、特に麻酔との関係が注目されている。

癌、特に乳癌では手術時にはすでに全身に微少な転移が存在する可能性がある。

一方、手術は手術操作により、あるいは免疫抑制により癌の進行を促進する。免疫抑制の原因としては、痛み、麻薬、麻酔薬、低体温、輸血などがある。区域麻酔の使用は、痛みを抑制し、麻薬の使用量を減らすことで周術期の免疫抑制を防止し、癌の再発を抑制することが期待される。
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麻酔薬と免疫系の関係については、
モルヒネは、NK細胞を抑制する。フェンタニルやレミフェンタニルまどの合成麻薬についてはまだよく分かっていない。
麻酔薬は、吸入麻酔薬は免疫抑制作用があるのに対してプロポフォールは免疫系にニュートラルあるいは軽度促進効果がある。

麻酔法と癌の再発で最も有名な研究はこちらである。
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乳癌手術に対して、胸部傍脊椎ブロックの併用が再発に影響があるのかをレトロスペクティブに検討した。

3年後、胸部傍脊椎ブロックを併用した患者は、94%が再発しなかったのに対して、併用しなかった患者は77%に留まった。この研究をきっかけに区域麻酔と癌の再発が注目されるようになった。

その後の追試では、差がなかったとする結果や同様の結果がでており必ずしもすべてが区域麻酔の有用性を示すには至っていない。これは対象とする癌の種類、病期の統一、手術法、併用する麻酔など多くの要因が関わっているためと考えられる。

近年の一連の研究では、プロポフォールと胸部傍脊椎ブロックの併用は、セボフルランと麻薬の併用と比べて、NK細胞の活性が高く、癌細胞のアポトーシスを誘導しやすいなどの結果が得られている。今後の前向き研究での結果が待たれる。

また、局所麻酔薬そのものも癌細胞のアポトーシスを誘導することが報告されている。

このようい癌手術の麻酔法というのは現在のトピックである。現状、ベストと考えられるのはTIVA+区域麻酔である。
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# by yamorimo | 2015-05-16 23:45 | PNB | Trackback | Comments(0)

周術期管理における区域麻酔の役割②

周術期管理における区域麻酔の役割そのに

乳癌手術に対する区域麻酔の役割について

乳癌手術は術後それほど痛みがないことからこれまで区域麻酔の使用は限定的であった。
しかし、区域麻酔の使用により、
短期的には、術後痛の軽減と周術期にオピオイドの使用量が減ることから術後の悪心嘔吐の軽減効果が期待できる。
さらに中・長期的には、慢性痛の軽減や癌再発の抑制効果が期待できる。

乳癌手術に対する区域麻酔法としては、
硬膜外麻酔
胸部傍脊椎ブロック
PECSブロック
局所浸潤麻酔がある

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胸部傍脊椎ブロックは肋間神経を最も中枢でブロックする方法である。胸壁全体の鎮痛効果がある。PECSブロックは肋間神経の外側皮枝をブロックする。側~前胸壁の鎮痛効果があるが胸骨周囲への効果は不十分である。

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乳癌手術に対する胸部傍脊椎ブロックの効果について検討した論文である。

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セボフルランとモルヒネの麻酔と、TIVA+胸部傍脊椎ブロックを比較した。

胸部脊椎ブロックの使用で、術後PACU滞在中から2日後までのVASが有意に低かった。

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周術期のオピオイド使用量は有意に少なく、PONVの頻度も低かった。


それでは慢性痛に対する効果はどうだろう。
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3ヶ月後、6ヶ月後ともに傍脊椎ブロックの併用は慢性痛の程度を軽減した。
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このように乳癌手術において、区域麻酔の併用は急性痛、慢性痛、PONVのいづれも軽減する。では予後はどうだろうか?

(つづく)
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# by yamorimo | 2015-05-15 23:33 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)

オキシテープエコ

ディスポーザブルのセンサーは費用がかさみます。このような製品をご紹介いただきましたので紹介します。


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# by yamorimo | 2015-05-13 22:58 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)

周術期管理における区域麻酔の役割①

日本区域麻酔学会での自分の講演を一部紹介する。タイトルは周術期管理における区域麻酔の役割。

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まずは自分の病院の現状から。
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当院での昨年の末梢神経ブロックを使用した症例数は約750。麻酔管理症例のほぼ1/2に相当する。1例に複数のブロックを含めれば1000ブロック程度を施行した。
現在は神経ブロックに関しては人手不足なので「神経ブロックをやりまくりたい」という先生がいらっしゃればいつでも歓迎する。

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ということで全麻症例のうち約半分は全身麻酔+末梢神経ブロックで行っている。硬膜外は胸部、腹部手術に限定。Spinalは非常に少なくなり、泌尿器科手術程度である。

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整形外科はさらに顕著であり、8割の症例が全身麻酔+末梢神経ブロックで行っている。短期入院などで早期に退院が必要な症例に下肢のブロックは行いにくく、全身麻酔+局所浸潤麻酔で行っている。一方で、spinalで行う症例は非常に少なくなった。ハイリスクの症例に対しては神経ブロック単独で行っているがその頻度は少ない。

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整形外科で多い大腿骨骨折の患者、従来は患者が痛がる中なんとか側臥位を取り、spinalを施行していた。高齢者が多く、麻酔に難渋することも多々あった。全身麻酔+ブロックで行えば、病棟のベッドで手術室に入室。そのまま麻酔導入することで患者の苦痛を軽減。しかも術後も長時間の鎮痛を得ることができる。

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ということで、従来は硬膜外以外は、全身麻酔と区域麻酔はorの関係だった。現在は局所浸潤麻酔を含めて両者をうまく併用することでよりよい手術期管理を行うことができる。麻酔科医が考えるべきは、その選択である。

ここまでイントロです。ということで神経ブロックのエキスパートを目指すのではあればぜひ当院での研修をお勧めします。ご希望があれば右の管理人あてメールでどうぞ。
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# by yamorimo | 2015-05-11 20:19 | PNB | Trackback | Comments(0)

麻酔科ポケットマニュアル

当院の初期研修医用のマニュアルを公開します。こちらからダウンロードできます。

神経ブロックのマニュアルについてはappleからeBooks形式でダウンロード可能です。iPadあるいはMacが必要です。こちらからどうぞ。
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# by yamorimo | 2015-05-06 20:46 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)

第2回日本区域麻酔学会

先週末、日本区域麻酔学会へ出席した。
会場は高崎市、東京駅から新幹線で1時間弱。私は金曜日の仕事終了後に出かけたので到着は深夜になった。

こちらは、超音波ガイド下末梢神経ブロックの初心者コースの模様。装置は日本メディカルネクストのEZONO3000を使用。通常使わない装置でのインストラクションはなかなか難しいが皆さんうまくやっていただいた。ただ、セミナーは定員割れしていたので今後は、セミナーの内容や数などもよく検討しないといけないのだろう。今回は当日受付でも受講できたのでその意味ではよかったのかもしれない。
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今回装置として目立っていたのはコニカミノルタの装置。写真で分かるように針を水色に表示して強調することができる。リニアプローブも18MHzで小ぶりな感じ。今後に期待の新星である。なお、画質などはまったくみていないので不明。
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こちらはベセルフューザーの2流量タイプ。両側の傍脊椎ブロックやTAPブロックに接続するのに使えるデバイス。ただ容量は500mLなので補充が必要かな?
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こちらはアセリオの展示。観光地によくあるような記念撮影用だった。アセリオについては術後の定期ルーチン使用を定着させるべく企画を考えているのでお楽しみに。
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終了後は、群馬大学の先生と。お疲れ様でした。
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次回は、私の講演の内容について紹介予定。
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# by yamorimo | 2015-04-30 23:14 | PNB | Trackback | Comments(0)

新刊

日本麻酔科学会へむけてことしも本を作成中です。おおまかな内容としては昨年の「麻酔科医のタメの知っておきたいワザ22」の続編ですが、前作が技術系中心だったのに対して、今回は知識中心です。お楽しみに。
まだ前作の「麻酔科医のための知っておきたいワザ22」をお持ちでなければゴールデンウィークを利用してぜひお読み下さい。購入はこちらから。
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# by yamorimo | 2015-04-30 00:21 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)

日本麻酔科学会期間中のユニシスのハンズオン

日本麻酔科学会期間中に、ユニシス主催のハンズオンがあります。詳細はこちら

満員の場合は御免なさい。
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# by yamorimo | 2015-04-16 16:45 | PNB | Trackback | Comments(0)

動画編

最後は動画。TAPブロックの講義ファイルと一緒にご覧下さい。



こちらは肋間神経ブロック。

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# by yamorimo | 2015-04-04 00:03 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)