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日本光電のモニター

2年前に日本光電のモニターを購入した際に感じたのは動脈圧の波形がみにくいということだった。

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従来の手術室専用機から病棟のモニターと共用になったためか、前機種よりもむしろみにくくなってしまったと感じられた。もちろん、動脈圧の波形からPPVが表示できたり、パルスオキシメーターもPIが表示可能になっているのだが、かんじんの波形があまりにちいさくてみにくい。やはり麻酔科医は波形をみて判断すべきである。パルスオキシメーターも本来サブパラメーターであるべきPIの表示が妙に大きい。等々の苦情を伝えていたところ、しばらくして本格的に改良してもらえることになり、麻酔科学会の直前にバージョンアップされた。

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まだ数字の色などを微調整したいのだが、動脈圧波形に関しても満足できるモノになったのではないだろか。もちろんこのために心電図の面積を削ってしまったのだが。また、吸気の二酸化炭素濃度はぜひ入れたかったのだが、呼吸数とどっちかになって入れられなかった。低流量麻酔時の安全性を考えると今なら二酸化炭素濃度なのかもしれない。

いずれにしてもおおくの医療機器は発売後、ユーザーの声を聞きながら完成させていくべきものだと思っている。今後もクレーマーにならない程度に、医療機器の評価や改良のお手伝いができればと考えている。
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by yamorimo | 2015-05-31 23:24 | その他 | Trackback | Comments(0)

周術期管理の謎22②

周術期管理の謎22はおかげさまで日本麻酔科学会の書籍展示でも好評でした。
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日々の臨床で疑問に思っていること、なんとなくそうかなと思っていることなど22のネタを選び、それぞれの領域の専門科医に自由に書いてもらっています。その結論にはっとさせられることがあればそれが本書の目的です。ぜひお読み下さい。

Amazonからの購入はこちら

その他学会場での注目書。

讃岐先生の「やさしくわかる麻酔科研修」
秀潤社ゆえか2900円と買いやすいお値段になっています。研修医はもちろん、看護師から専門医まで必読だと思います。マンガちっくな図にだまされてはいけない本格的な教科書です。

「麻酔科医のための周術期の薬物使用法」中山書店
麻酔科医のためのシリーズの最新刊。周術期に使われる薬物はほぼ網羅されています。持っておくといいのだけどちょっとお高いかなとは思います。私は著者のひとりなのでラッキーでした。

「まれな疾患の麻酔AtoZ」文光堂
同名の教科書の15年ぶいくらいの新作。とにかく何でも載っている印象です。こちらもお高いので病院で一冊買えばよさそう。

「救急エコー スキルアップ塾」羊土社
おなじみ鈴木昭広先生編集のレジデントノート別冊です。レジデントに読ませるにはもったいないくらい、これも何でも載っています。超音波装置をさらに活用するには必読だと思います。

今回の学会では比較的1万5千円くらすの本が多かった印象です。カラーを減らしてもいいので1万円くらいまでにしてもらいたいなとは思いました。

ということで、私も来年に向けてまた頑張りたいと思います。次**の22という本はとりあえず出ない予定です。
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by yamorimo | 2015-05-30 18:26 | 書評 | Trackback | Comments(0)

日本麻酔科学会

5/28から日本麻酔科学会へ2日のみ参加した。

まず仕事はソノサイトブースでのハンズオン。写真では分からないですが、ソノサイトのポロシャツを着ています。
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こちらはGEブース。ブラザーの開発したヘッドマウントディスプレイを試用。超音波装置の画像を目の前に表示します。装置の位置を変えずに複数のブロックが可能など応用は広がりそうです。
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学会にぎりぎり間に合ったという日本メディカルネクストが扱うBKメディカルの超音波装置。海外ではすでに有名です。18MHzなので他社のリニアプローブと比べて高精細なのが分かります。あとは微妙な絵の作り込みでしょうね。
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テルモで参考出品のEZONO4000。これまでのEZONO3000の改良版+針の位置を表示する機能が追加されています。現状では機械のみの販売となりそうです。
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こちらは日本光電の新型モニター、ついに薬物動態シミュレーターを入れてきました。同社は麻酔器も販売開始ですが、これからは麻酔器、モニターの統合制御的な考えがすすむのではないでしょうか?
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by yamorimo | 2015-05-30 11:18 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)

周術期管理の謎22

たまたまですが、昨年に続き22シリーズの第2弾として「周術期管理の謎22」が発売されます。

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表紙はこちら。迷路が謎を象徴しているデザインです。

目次ページです。
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昨年につづいて超豪華な執筆陣にお願いしました。周術期管理の全般にわたり、軽いネタからちょっと難しめのネタまで日常臨床での疑問点を中心に22の項目にまとめました。定価5500円+消費税です。ぜひ日本麻酔科学会の書籍展示で確認の上、ご購入下さい。

Amazonでも予約が始まっています。こちらからどうぞ。
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by yamorimo | 2015-05-26 00:14 | 書評 | Trackback | Comments(0)

今年のNYSORA

さて、周術期管理における区域麻酔の役割を3回に分けて解説しました。この内容は区域麻酔学会での講演ですが、元ネタは昨年のNYSORAとことしのNYSORA middle eastでのいくつかの講演です。特に毎年9月にニューヨークで開かれるNYSORAはこの領域の最新の知識とテクニックを身につけるのに最適です。
ことしのNYSORAはなんと9月の連休中に開かれます。私や何人かの日本人麻酔科医も参加しますので、読者のみなさんもぜひご参加下さい。
抄録締めきりは8月ですが、飛行機の手配はお早めに。詳細はこちらから。
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by yamorimo | 2015-05-24 22:05 | PNB | Trackback | Comments(0)

初期研修医のためのにこにこセボフルラン麻酔

以前作った初期研修医のための「にこにこセボフルラン麻酔」を改訂しました。簡単で確実、しかも考えるセボフルラン麻酔を目指して解説しています。ダウンロードはこちらから。
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by yamorimo | 2015-05-19 23:03 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)

周術期管理における区域麻酔の役割③

周術期管理における区域麻酔の役割のつづき。

今日は麻酔管理と癌の関係。
近年、癌患者に対する周術期管理、特に麻酔との関係が注目されている。

癌、特に乳癌では手術時にはすでに全身に微少な転移が存在する可能性がある。

一方、手術は手術操作により、あるいは免疫抑制により癌の進行を促進する。免疫抑制の原因としては、痛み、麻薬、麻酔薬、低体温、輸血などがある。区域麻酔の使用は、痛みを抑制し、麻薬の使用量を減らすことで周術期の免疫抑制を防止し、癌の再発を抑制することが期待される。
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麻酔薬と免疫系の関係については、
モルヒネは、NK細胞を抑制する。フェンタニルやレミフェンタニルまどの合成麻薬についてはまだよく分かっていない。
麻酔薬は、吸入麻酔薬は免疫抑制作用があるのに対してプロポフォールは免疫系にニュートラルあるいは軽度促進効果がある。

麻酔法と癌の再発で最も有名な研究はこちらである。
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乳癌手術に対して、胸部傍脊椎ブロックの併用が再発に影響があるのかをレトロスペクティブに検討した。

3年後、胸部傍脊椎ブロックを併用した患者は、94%が再発しなかったのに対して、併用しなかった患者は77%に留まった。この研究をきっかけに区域麻酔と癌の再発が注目されるようになった。

その後の追試では、差がなかったとする結果や同様の結果がでており必ずしもすべてが区域麻酔の有用性を示すには至っていない。これは対象とする癌の種類、病期の統一、手術法、併用する麻酔など多くの要因が関わっているためと考えられる。

近年の一連の研究では、プロポフォールと胸部傍脊椎ブロックの併用は、セボフルランと麻薬の併用と比べて、NK細胞の活性が高く、癌細胞のアポトーシスを誘導しやすいなどの結果が得られている。今後の前向き研究での結果が待たれる。

また、局所麻酔薬そのものも癌細胞のアポトーシスを誘導することが報告されている。

このようい癌手術の麻酔法というのは現在のトピックである。現状、ベストと考えられるのはTIVA+区域麻酔である。
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by yamorimo | 2015-05-16 23:45 | PNB | Trackback | Comments(0)

周術期管理における区域麻酔の役割②

周術期管理における区域麻酔の役割そのに

乳癌手術に対する区域麻酔の役割について

乳癌手術は術後それほど痛みがないことからこれまで区域麻酔の使用は限定的であった。
しかし、区域麻酔の使用により、
短期的には、術後痛の軽減と周術期にオピオイドの使用量が減ることから術後の悪心嘔吐の軽減効果が期待できる。
さらに中・長期的には、慢性痛の軽減や癌再発の抑制効果が期待できる。

乳癌手術に対する区域麻酔法としては、
硬膜外麻酔
胸部傍脊椎ブロック
PECSブロック
局所浸潤麻酔がある

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胸部傍脊椎ブロックは肋間神経を最も中枢でブロックする方法である。胸壁全体の鎮痛効果がある。PECSブロックは肋間神経の外側皮枝をブロックする。側~前胸壁の鎮痛効果があるが胸骨周囲への効果は不十分である。

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乳癌手術に対する胸部傍脊椎ブロックの効果について検討した論文である。

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セボフルランとモルヒネの麻酔と、TIVA+胸部傍脊椎ブロックを比較した。

胸部脊椎ブロックの使用で、術後PACU滞在中から2日後までのVASが有意に低かった。

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周術期のオピオイド使用量は有意に少なく、PONVの頻度も低かった。


それでは慢性痛に対する効果はどうだろう。
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3ヶ月後、6ヶ月後ともに傍脊椎ブロックの併用は慢性痛の程度を軽減した。
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このように乳癌手術において、区域麻酔の併用は急性痛、慢性痛、PONVのいづれも軽減する。では予後はどうだろうか?

(つづく)
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by yamorimo | 2015-05-15 23:33 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)

オキシテープエコ

ディスポーザブルのセンサーは費用がかさみます。このような製品をご紹介いただきましたので紹介します。


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by yamorimo | 2015-05-13 22:58 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)

周術期管理における区域麻酔の役割①

日本区域麻酔学会での自分の講演を一部紹介する。タイトルは周術期管理における区域麻酔の役割。

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まずは自分の病院の現状から。
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当院での昨年の末梢神経ブロックを使用した症例数は約750。麻酔管理症例のほぼ1/2に相当する。1例に複数のブロックを含めれば1000ブロック程度を施行した。
現在は神経ブロックに関しては人手不足なので「神経ブロックをやりまくりたい」という先生がいらっしゃればいつでも歓迎する。

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ということで全麻症例のうち約半分は全身麻酔+末梢神経ブロックで行っている。硬膜外は胸部、腹部手術に限定。Spinalは非常に少なくなり、泌尿器科手術程度である。

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整形外科はさらに顕著であり、8割の症例が全身麻酔+末梢神経ブロックで行っている。短期入院などで早期に退院が必要な症例に下肢のブロックは行いにくく、全身麻酔+局所浸潤麻酔で行っている。一方で、spinalで行う症例は非常に少なくなった。ハイリスクの症例に対しては神経ブロック単独で行っているがその頻度は少ない。

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整形外科で多い大腿骨骨折の患者、従来は患者が痛がる中なんとか側臥位を取り、spinalを施行していた。高齢者が多く、麻酔に難渋することも多々あった。全身麻酔+ブロックで行えば、病棟のベッドで手術室に入室。そのまま麻酔導入することで患者の苦痛を軽減。しかも術後も長時間の鎮痛を得ることができる。

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ということで、従来は硬膜外以外は、全身麻酔と区域麻酔はorの関係だった。現在は局所浸潤麻酔を含めて両者をうまく併用することでよりよい手術期管理を行うことができる。麻酔科医が考えるべきは、その選択である。

ここまでイントロです。ということで神経ブロックのエキスパートを目指すのではあればぜひ当院での研修をお勧めします。ご希望があれば右の管理人あてメールでどうぞ。
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by yamorimo | 2015-05-11 20:19 | PNB | Trackback | Comments(0)