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超音波ガイド下CV穿刺を考える①

臨床麻酔学会のメルマガによれば、学会では超音波ガイド下CV穿刺に関する企画が予定されているという。大変楽しみであるが、超音波ガイド下CV穿刺について正しい方法が理解されているのか不安を感じるときがある。末梢神経ブロックではハンズオンが盛んに開催されているが、CV穿刺に関しては何となくやっている人が多いのではないだろうか?そこで大げさなタイトルではあるが少し超音波ガイド下CV穿刺を考えてみたい。

まず交差法について。最近読んだ本に気になる図が記載されていた。
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穿刺のポイントは超音波ビームに対して針を60度以上の角度で穿刺することと記載されている。交差法での針先は、針と超音波ビームが交差した一瞬しか確認することができない。このポイントをよりクリアーに確認するには確かに針とビームはできるだけ平行がいいのだが、この図には落とし穴がある。実際に針が血管に当たるのは超音波でみえている画面のより中枢側である。もちろん内頸静脈であれば大きく蛇行することはないが、この方法で穿刺すると、針先と超音波プローブの関係が直角ではなかったり、プローブが血管に直角に当たっていないと、画像上は静脈を穿刺しているのに動脈に当たったということにもなりかねない。血管が浅い場合は問題ないが(写真などから小児中心で行っている人が記載した可能性)、腋窩静脈穿刺では厳しい方法といえる。ちなみに、私も橈骨動脈穿刺を交差法で行う場合は、プローブと穿刺針は60度かそれ以上の角度を付けて穿刺している。
ではどうしたらよいのか。

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もう少し簡略化して記載してみる。皮膚から血管までの距離を1cmとし、ビームと針の角度を60度にした場合、ちょうど血管上でビームと針が交差するにはピタゴラスの定理からプローブの中心から1.7cm離して穿刺しなければならない。ここまで離してしまうと、針がビーム上に来るまでは穿刺者は超音波画像から何の上方も得ることはできない(①)。むしろ、②のようにプローブ近くから穿刺することで、針の動きを組織の動きとして画像上で確認できた方が安全性は高くなる。この場合はビームと針の角度は30度くらいになる。

実際の内頸静脈は皮膚に平行に走行していないことがあるので、プローブの当て方も皮膚に垂直ではなく、血管に直角になるように少し傾けた方がよい。平行法とはいっても、血管を短軸、長軸で充分観察した後に穿刺することが重要である。

しばらく交差法のお作法について、私見を述べたい。
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by yamorimo | 2011-06-30 22:20 | 中心静脈穿刺 | Trackback | Comments(2)

Stereo7月号

雑誌のStereoは私の大学時代の愛読誌で、特に長岡鉄男先生の文章はいつも楽しみだった。最近は毎年7月の工作特集くらいしか購入していなかったが、ことしはついに8cmのスピーカー組み立てキットが付録に付いている。Amazonではすでにプレミア価格になっているが近くの書店で奇跡的に入手した。2800円でスピーカー2本と思えば安いものだろう。音を出すには箱がいるのだが、専用にFOSTEXから出したものは入手困難だという。早速、Stereo誌から発売のものを予約してしまった。
もちろんスピーカーだけではならないのでアンプをどうしよう。Stereo誌だと2万円くらいでよさそうなキットがあるのでこれを組み立ててiPod用のシステムを作ろうかと思っている。
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by yamorimo | 2011-06-26 21:39 | その他 | Trackback | Comments(0)

ジェリー・アンダーソンSF特撮DVDコレクション

つい買ってしまったのがこのジェリー・アンダーソンSF特撮DVDコレクション。初回はサンダーバードと謎の円盤UFO。どちらも小学生時代(というかもっと前?)よくみていた作品だ。サンダーバードはノーカット版ということでところどころ吹き替えが存在しないのが面白い。短縮版をみさせらていたということか。

何の関係もなさそうだが、協和発酵キリンにTHUNDERBIRDSlabというサイトが作られており、簡単な入隊テストで隊員になることができる。こちらも今後に期待したい。
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あこがれのブレインズにあやかってみた。
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by yamorimo | 2011-06-21 22:54 | その他 | Trackback | Comments(2)

平成23年度東京麻酔専門医会ハンズオンセミナー

平成23年度東京麻酔専門医会ハンズオンセミナーの申し込みが開始されています。

私の関係は9/3-4(福岡)となっています。申し込みはまだです。
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by yamorimo | 2011-06-20 13:58 | PNB | Trackback | Comments(0)

鳥越俊太郎医療の現場

こういう良質の番組はありがたい。

鳥越俊太郎医療の現場:覚醒下脳手術

札幌医大ではAEPを使っている様子。この手術にはよいのかもしれません。
うちの施設ではNaviだけなので、ファイバートラッキングがNaviと一体化しているのは凄いと思ったですね。
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by yamorimo | 2011-06-18 19:45 | その他 | Trackback | Comments(0)

グライドスコープの動画

別件で必要になって編集したグライドスコープの気管挿管例をアップしました。
AWSや、私がいつも使っているクーデックビデオラリンゴスコープよりもクオリティの高い動画が記録できます。
この症例は前回は覚醒下ファイバー挿管が選択されていましたが、難なく挿管できました。


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by yamorimo | 2011-06-18 19:15 | 麻酔 | Trackback | Comments(1)

レミフェンタニルの話題など③

レミフェンタニルに関する最近の話題。近年オピオイドによるプレコンディショニング効果が注目されている(例えばLiSA 2010;17:1168を参照)。この研究はレミフェンタニルの前投与による肝臓の虚血再灌流障害の軽減効果を検討している。

Remifentanil preconditioning reduces hepatic ischemia-reperfusion injury in rats via inducible nitric oxide synthase expression. Anesthesilogy 2011;114:1036

ラットの肝臓虚血・再灌流障害モデルを用いてレミフェンタニルの効果を検討した。また、レミフェンタニルのプレコンディショニングへの一酸化窒素の関与についても検討した。

グループ
レミフェンタニルの前投与群
ナロキソンの単独あるいはレミフェンタニルとの併用
L-アルギニンの単独あるいはレミフェンタニルとの併用
L-NAMEの単独あるいはレミフェンタニルとの併用

結果
レミフェンタニルあるいはL-アルギニンは虚血再灌流後の、ALT,ASTの上昇を抑制し、TNFα、IL1の上昇を抑制した。一方、NOx、SODは有意に上昇した。組織学的な障害やアポトーシスの減少も確認された。レミフェンタニルのプレコンディショニング効果は、L-NAMEの投与で抑制されたが、ナロキソンでは抑制されず、一酸化窒素合成系の関与が考えられた。

(私見)
近年レミフェンタニルによる手術中のストレス反応や炎症反応の抑制効果が示されているが、本研究ではさらに虚血・再灌流後の臓器保護効果が期待できることが示唆されている。臨床でも術後の検査データをエンドポイントにして、レミフェンタニルの用量を変えて検討してみるなどを行ってみてはどうだろう。
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by yamorimo | 2011-06-16 00:16 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)

DAMセミナー

当院で予定しているDAMセミナーですが、内部の受講生がほぼ決まったので若干名を公募します。日曜の夕方というスケジュールですがご興味のある方はこちらからご連絡下さい。

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期日:2011年7月3日、16:00~19:00
場所:宇部興産中央病院シミュレーター室(2階の手術室前に集合して下さい)。
参加料:無料
内容:
講義(ASA-DAMアルゴリズム、JSAアルゴリズムの理解)
ガムエラスティックブジー、チューブエクスチェンジャー
声門上器具(LMAなど)
輪状甲状膜穿刺
輪状甲状膜切開キット
シナリオトレーニング

当院での勉強会シリーズとして、8月は神経ブロック、その後、DAMの2回目と、超音波ガイド下中心静脈穿刺を年内に予定します。
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by yamorimo | 2011-06-14 23:39 | DAM | Trackback | Comments(0)

レミフェンタニルの話題など②

かなり開いてしまったが、レミフェンタニルに関する最近の話題。前回(11月)は、覚醒時にも少量のレミフェンタニルを継続することで、覚醒時の血圧上昇などを抑えてスムーズな覚醒を得るという話題だった。今回もその続き、

Differential effects of lidocaine and remifentani on response to the tracheal tube during emergence from general anaesthesia. Br J Anaesth 2011;106:410

覚醒時の挿管チューブへの反応の抑制効果をレミフェンタニルとリドカイン静注で比較した。

(方法)
甲状腺手術を受ける70名の女性患者を対象。
前投薬はミダゾラム0.05mg/kg筋注
麻酔はプロポフォール1.5mg/kgとレミフェンタニル、ロクロニウムで導入。
挿管は7.0のスパイラルチューブでカフ圧も調整。
麻酔維持はセボフルランとレミフェンタニル(2-5ng/ml)。

覚醒時は、R群はレミフェンタニル2ng/mlを継続、L群はレミフェンタニルを中止してリドカイン1.5mg/kgを静注。
覚醒の状況と血圧・心拍数、咳の強さを比較。

(結果)
覚醒の状況は群間差なし。
咳の頻度はL群で73%、R群で21%とL群で有意に高かった。また咳のグレードもL群で高い。
血圧、心拍数はL群で有意に高い。

術後痛や悪心の頻度に有意差なし。

ということで、この研究の様にtransitional opioidを使用しない場合は、麻酔覚醒時にレミフェンタニルを完全に切るのではなく少量は継続しておいた方が、スムーズな抜管が可能である。この研究はレミフェンタニルをTCI投与しているのだが、日本の場合はシミュレーションしながら0.05-0.1μg/kgを継続することになるだろうか?
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by yamorimo | 2011-06-14 23:03 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)

超文献管理ソリューション

Sanuki先生の超文献管理ソリューションが届いた。前作のマイナーチェンジと思っていたら全くの新作になっていてびっくり。
ネタはPubMed、医学中央雑誌、Google、EndNote、GetARef、Mendeley、EndNote Web、RefWorksとその他、Part4のクラウドの紹介は、私のLiSA連載と関連した項目も多い。細かいところだが、Dropboxは3月くらいに日本語化している。私の連載3回目は英語版でキャプチャーした画面をそのまま使ったが、本書はすべて日本語版になっている。そんな細かな著者の配慮が感じられる好著である。

私は、文献管理はEvernoteを中心に行っている。これは文献リストが必要な仕事は年間3回程度で、例えば文献が100を越えるような大作はまだ経験がないからである。この辺りは好みの問題だが、本書を参考に自分の理想の環境を整備するとよいだろう。そんな意味ではクラウド系のMendeleyは期待かもしれない。

もう一冊買ったのは、「これならできるファイバー挿管」である。これも著者らの入魂の一冊といっても過言ではない。LiSA連載時よりも格段にパワーアップしている。読むだけでファイバー挿管の達人になれそうな一冊である。
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by yamorimo | 2011-06-09 23:31 | 書評 | Trackback | Comments(0)