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世界バレー

世界バレーが開催中ですが、M監督が持っているのがiPadみたいです。
試合中も最新のデータが入ってきて確認できるそうです。

我々も負けられれませんね。
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by yamorimo | 2010-10-31 20:35 | その他 | Trackback | Comments(0)

日本静脈麻酔学会②

静脈麻酔学会の続き。

SH先生の講演をAudioNoteでのメモを中心に紹介する。さすがに音声ファイルはここでは公開できないのでご興味あれば個人的に連絡して下さい。

麻酔薬の組み合わせと脳波

侵害入力と脳波

脱同期
低振幅速波化する
しかし、大きなδ波が出現することがある(Paradoxical arousal)この場合はBISは低下する。

これらの変化はフェンタニルで抑制
フェンタニル単独(3マイクログラム/kg)では脳波変化ないので、侵害刺激を抑制して脳波変化が起こらなかったのだろう。

レミフェンタニルとBIS
Koitabashi先生のデータではレミフェンタニルはdose dependentにBISを低下させる。
しかし、血圧、心拍数ともに低下しており循環動態の変化も考えられる。

心拍出量の変化→プロポフォール濃度の変化(レミフェンタニルで心拍出量が低下するとプロポフォール濃度が上昇する可能性)

循環作動薬で循環変動を補正するとBISは変化しない、しかしSEFは変化する。レミフェンタニルの開発時にはこのような高用量のレミフェンタニルは考えられていなかったのだろう。

レミフェンタニルで脳波の振幅は減少する(プロポフォールだけ、セボフルランでは減少しない)。

ミダゾラムではレミフェンタニルで振幅増化。これはフェンタニルとは異なる

オピオイドとBIS
Glass Anesthesiology 1997,86,836
オピオイド単独ではBISは変化しない。

Isobologramの問題点
血圧も心拍数も変化しないのに覚醒?
(Isobologramについては自分の演題でN先生とも議論になったが私はあまり重視していない)

Schraag Anesth Analg 2006,103,902
オピオイドを使用するとLOCのプロポフォール濃度は低下。しかし、このときAEPは差がある。つまりオピオイドの併用で就眠に必要なプロポフォール濃度は低下するとしても、鎮静度は??

ケタミンについて。
Tsuda Acta 2007,51,472

プロポフォール+ケタミン
速波、10Hzのピークなくなる

ケタミンのみ
速波

プラスIsoでは
振幅が拡大する。

亜酸化窒素
ISOプラス亜酸化窒素
初めはデルタ波
その後低振幅になる。

質問、K先生
年齢は?
高齢者では波形をみながら濃度を上下してみる

私見
勝手ながら私見というかコメントしてみる。
今回SH先生が強調されたのは複数の麻酔薬を組み合わせた時の脳波変化は予測不能のことが多く、解釈には注意が必要という点だと思う。
特にレミフェンタニルとの併用では注意が必要である。レミフェンタニルを高用量使用すると低振幅となり解釈は難しい。このときにBISが低値だからといって、併用するプロポフォール濃度を低下させるのは危険であるということを強調された。
臨床麻酔学会ではこのコンセプトを元に安全なTIVAの方法について講演してみたいと思っている。
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by yamorimo | 2010-10-31 20:17 | 麻酔 | Trackback | Comments(5)

日本静脈麻酔学会

弘前市で開かれた第17回日本静脈麻酔学会に参加した。

昨年の一般演題は10題程度だったが、今年は20題と盛況であり、新しい施設からの演題もみられた。静脈麻酔自体が一般的になってきたということだろう。

まず、併開されていた青森臨床麻酔研究会での柳沢先生のオレキシンについての講演を聴いた。
こちらの方です。また検索してみるとこんな文献もみつかった。

オレキシンは視床下部の神経細胞により生産され、摂食行動を促進し、空腹時には食欲を増進させる。また、オレキシンは睡眠や覚醒の制御にも重要な働きをすることが知られている。
オレキシンが関連している疾患としてナルコレプシーがある。ナルコレプシーは覚醒状態を維持することが困難になる疾患で、この病態にオレキシンの欠乏が関与している。
オレキシンの欠乏には自己免疫疾患であることが考えられるが詳細はまだ分からない。

動物実験ではオレキシンの投与でオレキシン欠損マウスで覚醒状態を増加させる。オレキシンはナルコレプシーの治療薬として期待できるが、BBBを通過しないので実際の臨床応用はまだ行われていない。

麻酔薬ではイソフルランやセボフルランはオレキシンを減少させる。
ナルコレプシーでは覚醒遅延が起こる?(報告はない?)

(追記)
最近ナルコレプシーの患者を麻酔したが、通常中枢神経興奮薬を内服しており、治療中の患者であれば問題ないと報告されている。むしろ治療薬の作用で覚醒しているのでは?と危惧しながら麻酔した。

次回はSH先生のランチョン。
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by yamorimo | 2010-10-31 16:46 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)

臨床麻酔学会関係

臨床麻酔学会が来週になりました。

ソノサイトのブースではプライベートワークショップとミニワークショップが予定されているようです。

特にプライベートワークショップ(よく理解していないのですがこれまでのプライベートレッスンとは異なり指定の部位を個人的に教えてもらえるという企画のようです)は明日から申し込み開始となっています。ホームページをご確認下さい。

ミニワークショップの方も金曜日の午後はずっとここにいたいくらいの内容ですね。

PS
予定に余裕があれば以前紹介した大塚美術館(会長の大下先生と行ったのですが、、)を訪れるとよいと思います。特にダヴィンチコードを読んでから最後の晩餐を鑑賞すると面白い。
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by yamorimo | 2010-10-28 21:04 | 麻酔 | Trackback | Comments(7)

G2010

AHAガイドラインの原文は、
http://circ.ahajournals.org/content/vol122/18_suppl_3/
からダウンロードすることができます。

ぼちぼち読んでいますがそのうち日本語訳も出版されるでしょう。
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by yamorimo | 2010-10-24 23:20 | Trackback | Comments(0)

セボフルラン vs デスフルラン③

セボフルラン vs デスフルランの第3回
これまでにデスフルランの強みは長時間の麻酔であることをシミュレーションで示した。

これまではあえてセボフルランの維持濃度をほぼ1MACで行った。それで実態に合わせてセボフルラン1%で6時間維持したときのシミュレーションを追加してみる。
6時間麻酔後のVRGの濃度を前回の1MAC維持時と1%で維持で比較してみる。

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この条件であれば麻酔終了後約10分でVRGは0.4%まで低下し、0.1MACまで低下するのは30-40分後と前回のデスフルランの1MAC維持と同程度になる。

分かりやすいように、今回の2つの条件とデスフルラン1MACで維持時の覚醒時のVRGの濃度をMAC比で示してみる。

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やはりセボフルランを1%で維持すれば、長時間の手術であってもデスフルランと同等の覚醒が得られることが分かる。もちろん、デスフルランもより低濃度で維持すればさらに覚醒は早くなるだろうが、導入当初は少し高めで維持するだろうと予想される。

デスフルランを使って覚醒が早いと感じられるかどうかは現在のセボフルラン麻酔の状況によって異なるかもしれない。セボフルランをレミフェンタニルや区域麻酔を併用して1-12%くらいで維持している人にとってはデスフルランを導入してもそれほど恩恵を感じられないかもしれない。一方、1MACくらいは使用しないとと思っている人はデスフルランの恩恵を感じられるだろう。

現段階では、デスフルランが必要な施設は、日帰り手術が多い、脳外科の未破裂脳動脈瘤など(もちろん電気生理との兼ね合いがあるが)長時間の手術であっても良好な覚醒が望まれる症例が多い施設などになるだろう。

今回でシミュレーションはとりあえず終了して、いくつか論文を検証してみる(さすがに臨床麻酔学会後になります)。
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by yamorimo | 2010-10-24 23:09 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)

AHA ECCガイドライン2010ハイライト日本語版

AHA ECCガイドライン2010ハイライト日本語版が公開されています。

変更点はより胸骨圧迫が強調された内容になったということでしょう。
100回/分以上、そして5cm以上の胸骨圧迫が推奨されています。
さらに順番もCABになりました。

その他はマイナーな変更だと思われます。
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by yamorimo | 2010-10-19 00:14 | その他 | Trackback | Comments(0)

セボフルラン vs デスフルラン②

セボフルラン vs デスフルランの第2回
今回は麻酔時間6時間の場合、

前回と同様に麻酔開始から維持で6時間時点まで、

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違いが大きいのは筋肉組織での麻酔薬濃度の上昇である。デスフルランでは4時間くらいで筋肉組織と血液が平衡に達するのに対して、セボフルランでは6時間後でもまだ平衡には達していない。ここが麻酔時間により覚醒に差が出る原因となっている。

では6時間後に麻酔薬濃度を0にする。このときセボフルランは呼気濃度1.8%、デスフルランは6.7%とほぼ1MACになっている。

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やはりデスフルランの方が覚醒が早い。前回同様覚醒をVRGの濃度が0.25MACまで低下とすると、セボフルランは16分、デスフルランは10分である(2時間のときはそれぞれ、12分と8分)。
覚醒では大きな差はでないが、0.1MACまでの低下ではセボフルランは60分ではそこまで低下せず、デスフルランでは42分である。
1点不明なのは、デスフルランでは脂肪組織でのデスフルラン濃度が1.4%あるので、覚醒時には脂肪組織からデスフルランが血液に戻ってくる。スピードは遅いだろうが、肥満患者では何らかの影響があるかもしれない。

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前回同様、0分のVRGの濃度を100としてその後の相対的な変化をプロットしてみる。
やはりcontext-dependent timeの差がでている。維持をおおよそ1MACで行っているので、90%低下までの時間は、デスフルランで40分、セボフルランは60分以上と前回の2時間の時以上に両者に差がでることが分かる。

2回のまとめで2時間と6時間を併記してみる。

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麻酔維持を1MAC程度で行う場合は、デスフルランは長時間手術でも短時間のセボフルランと同等かそれ以上の覚醒を得ることができる。
デスフルランが有用なのは短時間手術では日帰り手術など早期の覚醒が必要な場合。但しセボフルランでも大きな差はない。
一方長時間手術では術後の回復が明らかにデスフルランが早い。スガマデックスで筋弛緩の拮抗がほぼ完全にできることと合わせればデスフルランの導入は日本の麻酔の状況を大きく変える可能性もあるといえるだろう。

このままではセボフルランの地位が危ういので、次回はデスフルラン-レミフェンタニル-スガマデックス時代のセボフルラン麻酔のあり方についての提案をしてみたい。
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by yamorimo | 2010-10-16 21:11 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)

セボフルラン vs デスフルラン①

風の噂ではそろそろデスフルランの発売が近いという。このところの話題は静脈麻酔中心だったのでここらでデスフルランとセボフルランはどう違うのか考えてみたい。もちろん私はデスフルランを使ったことがないのでシミュレーションと文献から考えてみるということになる。

まずセボフルランの特性についてはこちら(文献1)で復習を。デスフルランについてもこちら(文献2)が詳しい。

前回セボフルランについていろいろシミュレーションした内容ではセボフルランは導入、覚醒ともにイソフルランに比べて早く特に長時間の麻酔後の覚醒でその恩恵を感じることができるだろうというものだった。

デスフルランの場合、導入に関しては気道刺激性があるのでセボフルランのように単独での吸入で導入するのには向いていない。

では維持ではどうか?文献2にあるように生体への取り込みが早く速やかにFA/FIが1に近づく。つまり吸入濃度と呼気濃度の差が少ないということになる。

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この図はセボフルランは流量6L/min、セボ5%で5分間吸入後、流量を4L/minにしてセボフルラン2%で吸入を続けたときの、デスフルランは20%(この濃度はたぶんあり得ないのだろうが、セボとほぼ同等ということで設定した)で5分後7%で吸入したときのシミュレーションである。
ALV:肺胞、VRG:脳など、MUS:筋肉、FAT:脂肪組織

セボでは肺胞濃度が吸入濃度の75%程度なのに対して、デスフルランでは80%を超えている。この特性は低流量麻酔で生きてくるが、通常の臨床では呼気麻酔濃度をモニターしているのであまり関係ないかもしれない。
筋肉組織の濃度上昇もデスフルランが早いが、脂肪の濃度が上昇しないのは両者一緒である。

次に覚醒。
覚醒については文献1にも触れてあるが、context-dependent timeの概念が重要になる(ミラー556ページを参照)。
麻酔中の維持濃度から肺胞あるいはVRGの濃度低下は、元の濃度の60%程度までは麻酔薬の種類にあまり関係ない。80%になるとイソフルランはセボフルラン、デスフルランと比べて時間が必要になり、しかも長時間になるほど延長は著明である。90%になるとセボフルランとデスフルランで差が出てくるようになりしかもセボフルランは麻酔時間の影響を受けるようになる。
1MAC程度で麻酔を維持するとすれば、MACの70-80%程度まで呼気濃度が低下すれば覚醒するだろうから、セボフルランとデスフルランで患者の覚醒までの時間にはそれほど差は付かないのではないかと予想される。一方で覚醒後の患者の状態はデスフルランで良好だろう。例えば喉頭反射の回復にはMACから90%低下が必要である。また5-8%のMACの麻酔薬でも喉頭機能の障害が存在する。つまり術後に水を飲むといったレベルに回復するのはデスフルランが早く、長時間の手術ではそれが著明になると予想される。

実際に前掲の図で2時間麻酔後、流量6L/minにして麻酔薬濃度0とし覚醒の様子をシミュレーションしてみる。

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覚醒をVRGが0.25MACになる時点とすると、セボフルランは12分、デスフルランは8分でそれほど差はない。しかし、0.1MACに低下するのは、セボフルランは30分、デスフルランは20分と差がでてくる。

前掲の図をもう少し分かりやすく、0分のVRGの濃度を100としてその後の相対的な変化をプロットしてみる。
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やはりデスフルランでは覚醒が早いことが分かるがその差は大きくはない。実際には呼気のセボフルラン濃度を1.2%程度にして維持すればもう少し覚醒は早くなるので、2時間程度の麻酔ではデスフルランの恩恵を感じることはそれほどないのではないかと思われる。ただしMACの10%以下の低濃度までの低下はデスフルランが早いので、術後の飲水や認知機能の回復はデスフルランで少し早いという結果になりそうだ。

次回は麻酔時間を長くしたときのシミュレーションを紹介する。
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by yamorimo | 2010-10-13 00:21 | 電脳麻酔学入門 | Trackback | Comments(0)

恐竜はなぜ鳥に進化したのか

いわゆる恐竜本はおおいのですが、本書は鳥の呼吸システムと過去の大気の酸素濃度の推測から恐竜や鳥の秘密に迫ろうという物で麻酔科にとっても面白い内容です。以前図書館で借りたのですが、文庫本になったので購入してゆっくり読んでみました。

冒頭が印象的で、ヒトが酸素吸入でやっと登頂できるエベレストの山頂を鳥は飛んで超えることができる。このことは鳥類はほ乳類よりも効率的な酸素利用のシステムを持っていることを示しているわけです。そんな呼吸システムと酸素濃度の変化から生命の絶滅や進化を説明する本書は、頭の体操にぜひおすすめしたい。
なお、文庫化にあたって原著の誤りなどを訂正したということなのでこれから読む方は文庫のほうがよいだろう。
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by yamorimo | 2010-10-12 00:48 | 書評 | Trackback | Comments(0)