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BISと術中覚醒

AspectのホームページにNEJMの術中覚醒の論文に対するコメントが掲載されています。なかなか面白い。
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by yamorimo | 2008-04-30 23:07 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)

モ源病とBIS

sanuki先生がモ源病について言及されている。まったく同感である。

モニターに異常値が出たときにどう対応するか。まさにそこが問われている。単純にアラームオフにして安心するのは論外だが、逆にモニターに踊らされている事例も多く経験する。だれもがオタク的知識を持つ必要はないが、最低限度のモニターに関する知識は必要である。

心電図モニターであれば麻酔科医は心電図を理解した上で、解析された心拍数やSTレベルを判断する。当然ノイズが入っていれば心拍数はおかしな数字をとるがそれはそれとして今は当てにならないなと思っているはずだ。当然BISモニターを使う際も、まず自分でかならず脳波波形を確認し、モニタが出すひとつの意見としてBIS値を参考にするくらいの態度でよいのだ。同様にBISモニターで確認できる解析値としてSEFやBSRも参考にすればよい。当然麻酔薬に対する脳波の変化は一様ではないので、典型的な脳波にならないこともある。BIS値はある意味TCIと同じであくまでも多くの人から得られたデータを元にして作られたバーチャルな数字であって、個々の患者でどの程度の信頼性があるのかは自分で判断するしかない。
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by yamorimo | 2008-04-28 22:47 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)

臨床モニター学会

駆け足ではあったが東京女子医大で行われた臨床モニター学会に出席した。

まず斬新だったのが受付で、当日受付の場合は名前を記入しないといけないのだが、名刺でもOKとのこと。早速私自慢のディプリちゃん名刺をお渡しした。

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今回のテーマはアウトカムをかえるモニタリング。モニターが医師の自己満足であってはならいという会長の見識が感じられるテーマで、随所に工夫がなされていた。

今回の目的はSH先生の講演だがそのまえに。
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これがBISの新型、BIS Vistaである。本家のwindows同様、失敗作でないことを祈りたい。内部のアルゴリズムは変わっていないが、画面がカラーでタッチパネルになっている。脳波の波形もずっとみやすくなった模様。麻酔科学会でご確認下さい。

SH先生の講演は、レミフェンタニルと脳波モニタについて。
ポイントは、
麻薬は基本的には脳波に影響を与えない。
通常は充分な鎮静の状態では高振幅徐波となるが、レミフェンタニルの麻酔中はあまり高振幅化しないひとがいる。特にTIVAでは多い印象。この場合の評価は難しいが、判断に困ったら麻酔薬濃度を上げてみる。supressionがみられたらその濃度から少し下げて維持する。
また、レミフェンタニルが一定の状態で、プロポフォールの濃度を徐々に下げていくと、BISはずっと40前後で一定だったが、効果部位濃度1.0μg/mlで急に上昇して慌てて濃度を上げたという症例を提示された。どうもレミフェンタニルの麻酔中はBISの評価は難しい印象。

私見も加えると、
患者の鎮静度が深くなると、脳波は徐波化、高振幅化し、その後burst suppressionから平坦脳波化する。BISのDSAの画面でいうと、10Hz付近とδ波の領域にふたつのピークができる。δ波だけになってしまうと深い鎮静となる。これらの変化をBISの値と一緒にいつも確認しながら麻酔するとよい。今日の脳波はいけてないのでBIS値はあてにならないなというのが分かるようになればOKだ。あくまでも簡易脳波計+αと考えるのが妥当である。
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by yamorimo | 2008-04-26 20:59 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)

神経ブロックのビデオ2

またまたS先生がYoutubeに神経ブロックのビデオをアップロードされている。
今度は超音波ガイドによる星状神経節ブロックの手技で、字幕もつけてもらったのであとはS先生の書かれた論文をみながら味わっていただきたい。pnbsivaで検索するのが早いと思います。

こうなると麻酔科領域での動画サイトなどがあるとよいのかもしれません。

追記、TAPブロックのビデオもということなので併せてご覧頂きたい。
なお、神経ブロックの簡単な解説は臨床麻酔の増刊号がよくまとまっている。特に超音波の画像がこれまでのものよりも一段シャープで分かりやすい。ついでに今日から実践できるTIVA2もご覧頂きたい。
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by yamorimo | 2008-04-21 23:08 | PNB | Trackback | Comments(0)

アルチバアンケートの結果(麻酔導入時のプロポフォール投与量)

アルチバ使用時のプロポフォール投与量についてはすでに途中経過を示したが、最終的な結果はこうなった。
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やはりプロポフォールは2mg/kgというのが身についているのかそれなりに多い比率となった。前回も説明したが、アルチバ使用時は導入に必要なプロポフォールは少量でOKなので1mg/kgでほとんどの場合充分である。
では、麻酔導入時のプロポフォール投与量と、アルチバ麻酔時に気になっていることで低血圧を選択した人の関係をみてみる。
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やはりプロポフォール投与量が多いと低血圧を気にする割合が高くなる。これがアルチバ使いこなしのひとつのコツといえるだろう。
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by yamorimo | 2008-04-21 21:36 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)

神経ブロックのビデオ

A医大のS先生から胸部傍脊椎神経ブロック(thoracic paravertebral block)のビデオをyou tubeに登録したという連絡が届いた。作者、pnbsivaで検索するとたどり着けると思うのでぜひみていただきたい。
胸部傍脊椎神経ブロックは、脊髄神経が椎間孔から出てきたところに局所麻酔薬を注入する方法で、片側多分節に脊髄神経と交感神経が遮断される。
胸部の手術といえば硬膜外という印象が強いが、こちらの方が片側性ということと神経遮断効果が強いという特徴がある。また超音波ガイドの手技に自信があれば全身麻酔後に体位を取った後に施行できるのでVATSの術後痛はよい適応である。文献的には乳癌手術にもよいとされるが、最近の低侵襲手術であえておこなう必要はないだろう。動画だけではよく分からないが、超音波ガイド下区域麻酔法(克誠堂)のp157-169を参照(同じS先生ですね)していただきたい。

PS
S先生から、低侵襲だからこそ乳癌手術で適応なのだと連絡が入った。確かに術後痛を意識して術中にフェンタニルを使うと術後の悪心・嘔吐がひどくなってしまう。単純に術後痛は神経ブロックというアプローチがよいのだろう。
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by yamorimo | 2008-04-19 20:56 | PNB | Trackback | Comments(0)

アルチバアンケートの結果(術中覚醒3)

SH先生からもコメントのあったセボフルランの維持濃度についてもう少し。

レミフェンタニル適正使用ガイドには、維持のセボフルラン濃度は1.0%と記載されている。昨年のアンケートで驚いたのはさらに低い0.7%前後で維持している人も結構多かったことだ。
そこで昨年と今年のセボフルランの維持濃度を比較してみる。

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昨年の結果と比べて維持濃度が高くなっているのが分かる。これが一年の経験ということなのだろう。少なくとも1%は切らないというのが1つのラインだろうか?
但し、今年はアンケートの前提に40歳の患者というのを入れているのが影響したのかもしれない。私も80歳以上の高齢者では0.8%で維持している。
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by yamorimo | 2008-04-17 00:10 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)

アルチバアンケートの結果(術中覚醒2)

術中覚醒についてTubokawa先生からリクエストのあったTIVAvs吸入麻酔です。

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どちらも変わらないという結果でした。
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by yamorimo | 2008-04-12 03:32 | 麻酔 | Trackback | Comments(4)

Editor's Choice articles from Anaesthesia

Anaesthesiaのarticleのいくつかをfreeで読むことができます。
5/31までです。

Free: Therapeutic hypothermia in comatose patients after
out-of-hospital cardiac arrest
by A. W. Hay, D. G. Swann, K. Bell, T. S. Walsh, B. Cook
http://dmmsclick.wiley.com/click.asp?p=4509777&m=10091&u=135305

Free: Accidental dural puncture and post dural puncture headache in
obstetric anaesthesia: presentation and management:
A 23-year survey in a district general hospital
by J. S. Sprigge, S. J. Harper
http://dmmsclick.wiley.com/click.asp?p=4509777&m=10091&u=135306

Free: Cardiovascular changes after achieving constant effect site
concentration of propofol
by E. S. Jack, M. Shaw, J. M. Harten, K. Anderson, J. Kinsella
http://dmmsclick.wiley.com/click.asp?p=4509777&m=10091&u=135307

Free: Cardiac output monitoring: basic science and clinical
application
by S. Jhanji, J. Dawson, R. M. Pearse
http://dmmsclick.wiley.com/click.asp?p=4509777&m=10091&u=135308

Free: Vasopressin in catecholamine-refractory shock in children
by S. Meyer, L. Gortner, W. McGuire, A. Baghai, S. Gottschling
http://dmmsclick.wiley.com/click.asp?p=4509777&m=10091&u=135309

Free: A national survey into the peri-operative anaesthetic management
of patients presenting for surgical correction of a fractured neck of
femur
by M. Sandby-Thomas, G. Sullivan, J. E. Hall Anaesthesia 2008 63:3 250
http://dmmsclick.wiley.com/click.asp?p=4509777&m=10091&u=135310
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by yamorimo | 2008-04-11 18:13 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)

アルチバアンケートの結果(術中覚醒)

アルチバアンケートの結果の続きです。集計結果から取り急ぎお知らせしたほうがよさそうなものから公開します。

途中経過は示しましたが、アルチバ使用時の術中覚醒の経験については、ある4%、疑いのある症例はある14%でないが82%でした。

ではこれを維持麻酔濃度との関係で解析してみます。維持セボフルラン濃度が0.7-1.0%の人と、1.2%以上の人に分けて術中覚醒の頻度についてみるとこのようになりました。

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全体的に、維持セボフルラン濃度が0.7%という人は減っているのですが、やはり維持のセボフルラン濃度としては1.2%以上がよいかもという結果となりました。

次にBISモニタの有無でも差があるかみてみます。BISをほとんど使用あるいは、50%以上の人と、それ以外で分けてみます。

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BISモニタが有用なのか、BISモニタを常用しようという人はいろいろ気を付けているのかは不明ですが、やはりアルチバ麻酔時にはBISモニタは有用といえそうです。

以上、アルチバ麻酔時の術中覚醒の頻度は多いかもしれない。
予防には、BISモニタの使用とセボフルランであれば1.2%以上を維持することが望まれる。

というのがあくまでも術中覚醒という視点からの考察です。
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by yamorimo | 2008-04-11 18:04 | 麻酔 | Trackback | Comments(4)