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電脳麻酔、学会賞を受賞する

麻酔科学会、自分の出番は終了したのでもう帰ってきた。

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今回の旅行の楽しみは最新型のB737-800に乗ることだった。クラスJで隣が空席だったので非常に快適だった。しばらくJALを使ってみたい。帰りは、AIR DOとANAの乗り継ぎ。AIR DOの地味な感じも好きです。羽田空港が雷雨で大幅に出発が遅れた。無事に帰ることができてなによりだった。

学会へ行けない方のために、札幌の風景など。
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花はライラックだそうです。

会場では、sanuki先生とAIRTRAQを見学。私も欲しいです。sanuki先生が写真を撮っているのをみてこれで売り上げが倍増かなと、、、

今回の札幌行きの目的はこちら。

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おかげさまで、麻酔科学会の清州賞を受賞いたしました。山村賞のkawamata先生、若手奨励賞のお二人ともレベルの高いご研究で感服しました。会場はガラガラにみえますが、昨年よりは多かったそうです。
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by yamorimo | 2007-05-31 23:45 | 麻酔 | Trackback | Comments(2)

最後の仕上げ

麻酔科学会が迫ってきた。
発表の準備に追われているヒトに少しだけ助言を。

発表を聴いている人が理解できる内容は限られている。準備したスライドから一枚だけ省略することを考えてみよう。自分が一番伝えたいのはどんな点か?それを導くには何が必要かもう一度考える。ちょっと整理するだけで聴衆にとってはぐっと理解しやすくなるはず。

そういいながら自分の発表も10分の発表に対して18枚(タイトル、結語、謝辞含む)。これでぎりぎりか?それにしても新しいPowerPointには悩まされたが、これまでのPowerPointとは違うものができた。
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by yamorimo | 2007-05-29 23:26 | その他 | Trackback | Comments(0)

日本超音波区域麻酔研究会

超音波ガイド下区域麻酔法の有用性を明らかにすることと、手技を広めることを目的として日本超音波区域麻酔研究会が作られ活動を開始しているが、今回ホームページができている。
今後の内容の充実に期待したい。
尚、「超音波ガイド下区域麻酔法」というこの分野での教科書の決定版が今回の麻酔科学会に合わせて発売される。基本から上肢、下肢、体幹のブロックまで現在考えられるほとんとの超音波ガイド下区域麻酔の手技が紹介されており、しかもDVD付き。こんな本は世界中探してもどこにもないので是非お勧めです(私もちょっとだけ参加しています)。
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by yamorimo | 2007-05-27 23:26 | Trackback | Comments(0)

脳性麻痺の原因

小児の脳性麻痺は、主として分娩時の低酸素によるものと自分では理解していた。しかし、最近の産科関連の問題に接してそうではないことを知らされ驚いた記憶がある。
JAMAに掲載された論文は、脳性麻痺児の母親は妊娠中の感染症罹患率が高く、妊娠中のMRI検査で異常が認められることが明らかとなった。MRIで異常がなかった脳性麻痺児は11.7%に過ぎなかった。感染症としては、各種ウィルス感染が考えられており、例えば水痘帯状疱疹ウィルスや突発性ウィルスとの関連を示唆した別の論文もある。
エビデンスとしては、脳性麻痺は出生前にすでに生じている病態が大きく関連しているという方向に向かいそうだ。これにより、出産時の不手際により脳性麻痺になったとする訴訟が減少するとよいのだが。
結論:妊娠中に風邪を引いたらMRIを撮るとよいかも。尚、何のウィルスが悪いというのは分かっていないものの、例えば水痘帯状疱疹ウィルスとか突発性発疹ウィルスなどの報告があり、昔からいわれている風疹だけではないようです。

これも、MMJの記事を参考にしました。
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by yamorimo | 2007-05-27 16:35 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)

アルチバとシバリングについて

アルチバとシバリングについては多いというコメントが多かったので急遽、電脳麻酔休憩室でのアンケートを追加しました。シバリングについての評価をお願いします。
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by yamorimo | 2007-05-26 19:17 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)

アルチバと徐脈

アルチバについてのアンケート調査、ご協力ありがとうございました。
不思議なことに最近、自分では気にならなくなった。投与量の設定がうまくなったのか、偶然かは疑問だがアトロピンを使う機会が減ってきた。さらに脈拍が60以上だとなんとなく落ち着かない。という訳でこの問題はある程度は慣れというべきだろう。

現在の結果は、徐脈になればアトロピンという当たり前の選択肢が一位ながら、気にならないがほぼ同数で並んでいるのが特徴的だ。次いで予防的にアトロピン投与が続く。確かに一度アトロピンを使っておくと長時間有効なような気がするのでこれも一つの方法だろう。
一方で、心臓マッサージあるいはペーシング経験も5%あるのも気になる。最下位ではあるが無視できない頻度かもしれない。
私見では、徐脈は基本的には気にならないが、+αで徐脈になる要素が加わると重篤になる。開腹手術での迷走神経刺激、脳幹部手術などだ。そのため上腹部の開腹手術では予防的にアトロピンを投与することにしている。アンケートはもう少し続けます。
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by yamorimo | 2007-05-25 23:06 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)

remifentanilとshivering

アルチバを使うと術後のshiveringが多いという話を聞いた。自分としては経験がないだけにちょっと調べてみた。

論文としてはこれくらいか。
Rohm KD et al. Total intravenous anesthesia with propofol and remifentanil is associated with a nearly twofold higher incidence in postanesthetic shivering than desflurane-fentanyl anesthesia. Med Sci Monit 2006;12:CR452-456

対象と方法
泌尿器科、婦人科、外科手術患者を対象。シバリングはスコアで評価。麻酔は、デスフルラン-フェンタニルあるいは、プロポフォール-レミフェンタニル(TIVA)で維持した。

結果
TIVA群では、69%の患者がシバリング(+)、デスフルラン-フェンタニルでは37%とTIVA群で約二倍の発生頻度だった。手術中の体温には群間差はなかった。

コメント
シバリングの発生が69%というのは高すぎるように思われる。室温が18-20℃とかなり低く、しかもactiveな加温が行われていないのが原因と思われる。そのため手術終了時の体温が35℃台となっているのは問題ありだろう。あえていえば、remifentanilを使ったTIVAでは術中の体温管理に注意して低体温にならないようにする必要があるとはいえるだろう。
という訳で、通常の管理でどうなのかは分からなかった。誰かコメント下さい。
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by yamorimo | 2007-05-23 22:46 | 麻酔 | Trackback | Comments(6)

remifentanilのhyperalgesiaとpropofol

アルチバを臨床で使う上での懸念のひとつが、使用後のhyperalgesiaとか急性耐性である。
remifentanil使用後のhyperalgesiaがpropofolにより抑制されるというTIVA派には都合のよい研究がA and Aに掲載されている。

ボランティアを使った研究で、電気刺激による疼痛モデルを使っている(かわいそう)。remifentanil単独投与だと、投与中は鎮痛作用があるが投与後は、コントール以上に疼痛スコアが上がっている(hyperalgesia)。これがTCIで1.5μg/mlのプロポフォールを併用するとみられなくなる。
麻薬によるhyperalgesiaはNMDA受容体の刺激作用によると個人的には理解していた。そのため、ケタミンはもちろん亜酸化窒素や吸入麻酔薬はもしかしたらremifentanil使用後のhyperalgesiaを拮抗するのではと思っていたが、この論文の考察ではμ受容体のダウンレギュレーションやcAMP系のアップレギュレーション、ダイノルフィンの放出などを考えており、プロポフォールのGABAとグリシン受容体に対する作用が、remifentanilの作用に拮抗するのではと考えている。また、プロポフォールにもNMDA受容体への作用も考えられているようだ。

アルチバのバストパートナーは誰か?これだけでは結論できないが、プロポフォールとセボフルランで術後痛の状況、鎮痛に必要な麻薬の量を比較する研究等行うと面白そうだ。
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by yamorimo | 2007-05-20 23:37 | 麻酔 | Trackback | Comments(2)

Googleによる診断支援

Googling for a diagnosis use of Google as a diagnostic aid:internet based study. BMJ 2006:333:1143

Lancet、BMJ、JAMAなどの抄録を載せているMMJという雑誌がある。いろいろ面白いネタがあったので少し紹介してみる。

このBMJの研究は、Googleを医師が診断に利用してどのくらいの確率で正しい診断に至るかをしらべたものだ。症例としては、New England Journal of Medicineの症例報告からピックアップしている。症例報告から3ないし5にキーワードをgoogleに入力して、検索結果から最もそれらしい診断を下し、実際の診断と比べている。結果としては58%の症例(15/26)で正しい診断に至りgoogle(インターネット検索)は医師の診断支援に有用と結論している。

日本語だと状況は異なるかもしれないが、試しに2005年のcase1を試してみる。
患者は、35歳女性、Difficulty Walking, Headache, and Nauseaで受診ということで、これら3つを入力すると、
偏頭痛、水頭症、脳腫瘍くらいが鑑別診断であることがすぐに分かった。例えば救急外来にはインターネット接続のPCというのは必須のものかもしれない。
個人的には術前診察の時に、聞いたことのない病名の患者の術前コンサルトやゾロ品の薬剤の検索に使っている。医薬品集を買うよりはインターネット検索で充分である。

あとは、多くの情報から玉と石を見分ける技術。これが必要になるだろう。
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by yamorimo | 2007-05-19 14:53 | その他 | Trackback | Comments(0)

sevoflurane:are there difference in products?

昨年のJ-SIVAで講演したが、我が家の近くにセボフルランの製造工場がある。患者さんの中にもうちで作っているセボでと指名される人もたまにいらっしゃる。A and Aの今月号にセボフルランについての話題が掲載されていたので紹介してみたい。

現在セボフルランは、アボット(丸石)とバクスターの2社から供給されている。この2つはまず製造法が異なっている。Hexafluoroisopropanol(HFIP)からアボット製はsingle-step processでバクスター製はthree-step processで製造される。どちらも製品には99.99%以上のセボフルランが含まれるが、不純物の比率は製造工程の違いから多少異なっている。これらは臨床使用上の違いはなさそうである。
次に、セボフルランは製造後、容器中で分解されるという問題がある。これはルイス酸(電子対受容体として定義された酸の呼称)依存性の脱フロン化と推測されている。この結果、HFやSiF4が産生される。従来のガラス容器には、SiO2, CaO, Na2O, Al2O3や少量の酸化金属(容器の色や紫外線防止に加えられている)が含まれており、特にAl2O3はルイス酸としてセボフルランを分解し、HFが次いでHFとSiO2の反応でSiF4が産生される。
セボフルランの分解は最初に、臭いで気付かれた。幸いにしてHFの濃度は環境基準以下であった。基準では、3ppm8時間以下であるが、0.04ppmくらからは臭いで感知できる。

分解を避けるため、最初の方法はルイス酸阻害薬を製品に含ませることが検討された。結局、水が有用であり、330ppmの水分を含有させた、water-enhancedセボフルランに改良され特許申請された。しかし、水は製造工程で産生されるため130ppm以下の水を含有するバクスターの後発品はアボットの特許を侵害していないと判断された。

次に容器の改良が考えられた。
バクスターはアルミ容器を使用した。アルミの表面には酸化アルミニウムが形成されセボフルランを分解する可能性があるが、epoxyphenolic resinの表面加工をすることで防いでいる(おそらく通常の食品のアルミ缶も同様の加工がなされている?)。

アボットはプラスティック容器にすることを選択した。プラティック容器には気体を透過する、熱に弱いなどの欠点があるが、ァポットの開発したpolyethylene naphthalateはセボフルランに使用できることが証明されている。

という訳で知らない間にセボフルランも改良されていることを知って驚いた。対策はなされているとはいっても、セボフルンの補給時には変な臭いがしないか確認するとよいのかもしれない。
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by yamorimo | 2007-05-19 12:20 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)