カテゴリ:電脳麻酔学入門( 34 )

電脳麻酔ポケットマニュアル

新年度の麻酔科研修医用のマニュアルを作ったので一部改変して公開します。内容は逐次リニューアルしていますが個人的な薬の使い方などありますのであくまで参考までにということでお願いします。iBooksAuthorで作っていますので将来的には電子ブックとしての公開を目指してます。
なお、本マニュアルの趣旨からダウンロードは医師に限定させていただきます(チェックはしませんが、、)。

ダウンロードはこちらから。
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by yamorimo | 2013-03-20 22:38 | 電脳麻酔学入門 | Trackback | Comments(0)

Web Refresher Course

アストラゼネカのWeb Refresher Courseが5/15(火)開催されます。
事前にネットから登録して当日は各自のパソコン、iPadでストリーミングで視聴して頂く形式です。事前にスライドの確認や質問が可能ですので登録してみて下さい。

内容は大阪大学の内田先生がTCIの基本的な項目を講義されます。
私は当日は司会役で参加しますのでよろしくお願いします。
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by yamorimo | 2012-04-15 00:17 | 電脳麻酔学入門 | Trackback | Comments(0)

研修医から指導医まで役立つTIVAの実際

拙著、「研修医から指導医まで役立つTIVAの実際」がダウンロード可能になっています。こちらからどうぞ。
TIVAについての自分の意見はこの文章に集約しています。

内容についてのご質問はここにコメントしてください。
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by yamorimo | 2012-03-06 22:37 | 電脳麻酔学入門 | Trackback | Comments(0)

隠し味のケタミン

レミフェンタニルとシバリングというのは個人的にはほとんど気にしたことがない。ただ長時間の開腹手術では時々これかなと思うことがある。また硬膜外がばっちり効いているはずなのに何故か覚醒と同時に痛みが強く、寒い、痛いという訴えがあることも経験した。不思議なことに術後2、3時間では良好な鎮痛が得られており、術後の一時的な痛覚過敏状態なのかと思っていた。

実際に今回のアンケートではレミフェンタニル麻酔後のシバリングに困っていると答えた人は42%と高率であった。これも驚いた結果ですね。

2年前くらいから行っているのは少量のケタミンを隠し味的に使用することである。開腹手術やVATSなど侵襲の大きい症例を適応にしている。量としては手術執刀前に0.5mg/kgとしている。高齢者ではさらに半量程度に減量する。5時間を超える症例では半量を追加する。本当に隠し味的な使用であるが、術後のシバリングや鎮痛の不足(硬膜外、末梢神経ブロック)がなく安定して良好な覚醒が得られるようになった。

欠点は脳波がおかしくなってしまうことか?このため投与前にこの症例で必要な麻酔薬濃度をきちんと設定しておく必要がある。

ということでまだシバリングにお困りの御施設ではお試し頂きたい。
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by yamorimo | 2012-01-20 23:54 | 電脳麻酔学入門 | Trackback | Comments(1)

TCIの初期設定濃度

下記の総説で私が強調している項目のひとつが麻酔導入時の初期のTCI設定濃度を高くしないということです。3μg/mlが許容範囲でできるだけ低めから時間をかけて導入した方がよりという論調になっています。では実際はどうか?術中覚醒アンケート結果をまとめてみます。

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初期の目標血中濃度が5μg/mlあるいはそれ以上の回答が14%あったのが気になります。この設定では麻酔導入時に表示される効果部位濃度は信頼性がなくなっていまいます。もちろん早く就眠する方よいという考えも理解できますがこれではTCIで得られる大事な情報をなくしてしまうというのが私の考えです。
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by yamorimo | 2012-01-19 22:38 | 電脳麻酔学入門 | Trackback | Comments(0)

研修医から指導医まで役立つTIVAの実際

臨床麻酔学会雑誌に拙著「研修医から指導医まで役立つTIVAの実際」が掲載されました。一昨年の臨床麻酔学会での講演をまとめたものですがご覧下さい。
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by yamorimo | 2012-01-19 21:58 | 電脳麻酔学入門 | Trackback | Comments(3)

BISの使用状況

昨年行った術中覚醒アンケートですが、少しずつ解析を進めています。基本的にはこちらでは紹介する予定はまだないのですが、ひとつだけ。

このアンケートではBISモニタの使用状況をセボフルランとTIVA別に調査しています。結果は非常にクリアーでした。

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TIVAでは約3/4の麻酔科医がBISの使用をルーチンにしているのに対してセボフルランでのBISの使用は低いことが分かりました。いろいろな論文の影響でセボフルラン濃度をある程度維持すればBISは不要と考える人が多いということでしょうか?それにしてもTIVAでのBISの使用状況は圧倒的で、2012年の常識ということがいえると思います。
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by yamorimo | 2012-01-16 00:42 | 電脳麻酔学入門 | Trackback | Comments(0)

麻酔維持におけるプロポフォール目標血中濃度設定の考え方とポイント

アストラゼネカのサイトで、「麻酔維持におけるプロポフォール目標血中濃度設定の考え方とポイント」について解説させて頂きました(MediChannel要登録)。麻酔導入から覚醒前までTIVA実践のポイントを13分程度にまとめましたのでご覧下さい。

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by yamorimo | 2011-05-31 18:08 | 電脳麻酔学入門 | Trackback | Comments(0)

全身麻酔中の脳波変化⑧

Artifacts within the brain:atypical or pathologic EEGs

Low Amplitude EEG
5-10%の人は誤ったpEEGIの値をとるかもしれない低振幅の脳波を示す。ある症例報告では完全に覚醒したボランティアでBISが40を示した。薬物による低振幅脳波はレミフェンタニルと吸入麻酔薬のwash out期にみられた。低振幅の脳波はバーストサプレッションと判断され、qEEGIが低値となる。

痙攣波
異常な状態や、ECT、薬物などにより痙攣波がみられる。高濃度のセボフルランでは痙攣波によりqEEGIを上昇させることがある。ECTの後では、非常に低いqEEGIでも覚醒する。

δ波
いろいろな状況でδ波がみられる。多くは原因不明であるが、qEEGIは低下する。多くは臨床的意義は少ないが、麻酔薬濃度が低い場合脳の異常を示している可能性がある。

逆説的δ波
Paradoxical cortical arousal (Fig 11)と呼ばれる状態では、qEEGIが異常な値をとる。
侵害刺激は1/3の患者で大きなδ波を引き起こし、qEEGIは逆に低下する。

脳の病態
精神病患者ではいろいろな脳波異常がみられる。アルツハイマーや脳血管性痴呆の患者では覚醒時の脳波で徐波が増加し、速波が減少している。qEEGIは予想よりも低値となる。
統合失調症では、前頭葉の徐波が増加しα波が減少する。薬物療法は統合失調症の脳波変化に影響を与える。アルコール依存はβ波を増加させ、コカインやマリファナはα波を増加させる。
脳血管障害は脳波パターンを変化させる。脳波の徐波化は脳血流や代謝の低下と相関する。脳波は軽度の脳虚血に敏感に変化する。重症の脳障害患者や脳性麻痺の小児は予想よりも低いqEEGIを示す。低血糖は徐波を増加させる。脳死では通常BIS値は0となる。
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by yamorimo | 2011-04-12 22:33 | 電脳麻酔学入門 | Trackback | Comments(0)

全身麻酔中の脳波変化⑦

麻酔中のアーチファクトと問題解決

EEGの波形を正しく評価する技術が必要である。この技術は科学とアートの両面がある。麻酔科医は麻酔導入前から脳波の測定を開始し、麻酔導入時と侵害刺激への変化を観察する。侵害刺激は、qEEGの数値を変化させない、増加、低下のいずれかの反応を示す。侵害刺激レベルの変化による脳波変化はすみやかであるが、数値が変化するには少し遅れがある。次の点に注意する。

1.qEEGモニタを使うときは、これらの点を繰り返し確認する
qEEGの数値は、患者の状態、麻酔薬の投与量、そして侵害刺激レベルにより決定される。
qEEGの数値は脳波波形により決定される。

2.もし波形と数値に解離があるときは、以下の点を確認する
モニタは正常に作動しているか?
頭部外からの干渉はないか?
頭部であっても脳外からの干渉はないか(筋電図など)?
脳内での干渉はないか(比典型的な脳波など)?

EEGモニタリングシステム
電極のインピーダンスや電極間に液体での短絡がないかなどを確認する。多くのEEGモニタは自動的にインピーダンスチェックを行う。

頭部外からのアーチファクト
これらのアーチファクトには、電気的なノイズ、ペースメーカー、心電図、電気メスやその他の手術手技による。電源系のノイズは最も大きな原因である。
場合によっては、手術手技を中止したり、問題のありそうな機器の電源を切ることで確認する。BISモニタはいろいろなノイズ除去を内蔵しており、まばたきや心電図のR波を除去することができる。電気メスなど多くの干渉はqEEGIから除去される。信頼できる脳波の割合は、BISモニタではsignal quality index(SQI)で示される。
平坦脳波時の高周波数のノイズはアーチファクト除去で除かれるが、もし除去がうまくいかないと、qEEGIは高値になり覚醒状態を示すかもしれない。この状況を麻酔科医が理解できないと、すでに深すぎる麻酔状態をさらに深くしてしまう。

つづく
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by yamorimo | 2011-04-03 22:24 | 電脳麻酔学入門 | Trackback | Comments(0)