カテゴリ:中心静脈穿刺( 36 )

超音波ガイド下CV穿刺は安全か?

超音波ガイド下でのCV穿刺が普及するにつれ、合併症の報告も増えてきた。そろそろ超音波ガイド下で穿刺したら安全という幻想は捨てる時に来ているのではないだろうか。従来のランドマーク法よりも難度の高い技術という位置づけが妥当ではないかと思っている。

「臨床麻酔」誌7月号にはシースを椎骨動脈に挿入してしまった症例報告が掲載されている。穿刺の方法は記述されていないが、短軸交差法で穿刺し、針先が内頚静脈を突き抜けて下の椎骨動脈に向かった症例である。

椎骨動脈は意外に内頚静脈の下にあることが多い。
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一方、交差法での穿刺は針先の深さの確認が難しい。画面のみをみて穿刺しているといつの間にか針が深くなっていることは手技に習熟していなければ起こりえる。ガイドワイヤー挿入後は短軸で可能な限り中枢まで、そして長軸でもワイヤーの確認が必要である。この手続きを行わなければ動脈穿刺やワイヤーが末梢へ向かうという事例が起こるだろう。

ではどうしたらよいのか?しばらく私の行っている初期研修医のためのニコニコCV穿刺について紹介したい。
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by yamorimo | 2012-08-08 00:04 | 中心静脈穿刺 | Trackback | Comments(0)

テルモレガフォースの論文

こちらでよく紹介しているテルモのレガフォースEXですが、私の行った中心静脈穿刺についてのアンケート調査が開発に多少役立っています。という訳でもないのですがTokumine先生の行われたレガフォースEXのみえかたについての検討の論文に共著者になっています。論文はこちらです。
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by yamorimo | 2012-07-26 23:26 | 中心静脈穿刺 | Trackback | Comments(0)

USガイド下内頸静脈穿刺での頭位

Is a neutral head position safer than 45-degree neck rotation during ultrasound-guided internal jugular vein cannulation? Results of a randomized controlled clinical trial.

Anesth Analg 2012;114:777

この論文ではUSガイド下内頸静脈穿刺をニュートラルポジション(NP)と通常の?45°傾けた状態(HT)で行い、成功率や合併症を比較している。対象は1400例とそれなりに大規模なstudyだ。

USガイドの方法は、短軸を描出して交差法で穿刺。針先を描出するために、針を進めながらプローブを倒していく方法で行っている。
成功率は100%。合併症の頻度はどちらも変わらない。動脈穿刺はNPが0.9%、HTが0.6%である。
施行時間はどちらも4分である。
IJVの位置はNPでは動脈の横にあるものが35%、HTでは7.5%と見え方には違いがある。

今月はCV穿刺を中心にいってみます。
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by yamorimo | 2012-04-04 00:38 | 中心静脈穿刺 | Trackback | Comments(0)

内頸静脈穿刺(平行法)

いろいろ動画処理に追われています。
その中からレガフォースEXを使った内頸静脈穿刺を平行法で行った例を紹介します。



穿刺、ガイドワイヤー挿入がこれだけみえれば内頸静脈穿刺もできるだけ平行法で行いたいものです。問題は普通のリニアプローブは長すぎて使いにくいことでホッケースティック型のプローブも欲しいところです。
またレガフォースの先端加工はこの浅さでは必要なさそうです。
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by yamorimo | 2012-02-08 00:17 | 中心静脈穿刺 | Trackback | Comments(0)

超音波ガイド下 中心静脈カテーテル挿入トレーニング

別の目的でジュンク堂に行った折に立ち読みしたのが本書である。
この分野ではいまだに徳嶺先生の著書が最適だが、本書はその後の穿刺法の進歩をふまえて交差法、平行法について詳しく解説、さらにトレーニング法についても触れられている。CV穿刺のセミナーなど受講の機会がないが正しい超音波ガイド下CV穿刺を身につけたいという方にはお勧めできる。

ただちょっと高かったので私は買わなかった。これくらいならここでも書けるという気もするので、そこはまた来年へ。
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by yamorimo | 2011-12-23 21:03 | 中心静脈穿刺 | Trackback | Comments(2)

CV穿刺指導者養成コース

CV穿刺指導者養成コースにコースディレクター見習いとして参加しました。
このコースでは単に超音波ガイド下CV穿刺のmethodだけでなく、指導の方法についても学ぶことができます。特に交差法で陥りやすいピットフォールについて逆に実演してみせる方法なども含まれています。まだ開催は限られていますが今後も全国で開催できるように頑張っていきたいと思います。

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by yamorimo | 2011-11-13 22:34 | 中心静脈穿刺 | Trackback | Comments(0)

超音波ガイド下CV穿刺の落とし穴

超音波ガイド下CV穿刺の落とし穴についてはこれまでにも説明してきた。
このところいくつか気になる記載が続いている。
「臨床麻酔」11月号には中心静脈カテーテルが右内頸静脈後方で頸横静脈に迷入した症例が報告されている。
この報告では超音波ガイド下に内頸静脈を穿刺、内頸静脈内に針が進むのを確認後ガイドワイヤーを挿入とある。またガイドワイヤーの走行を確認しなかったとも記載がある。
結局この穿刺では内頸静脈後方の頸横動脈穿刺になっていたようだ。穿刺の方法については記載がないが交差法だと思われる。こちらでも説明してきたように交差法はよく分かっていないと自分が思っているよりもはるかに深く刺入されていることがある。
この症例は交差法の原理を正しく理解することと、ガイドワイヤーの走行を確認することで動脈にカテーテルを留置することはなかったと思われる。針が静脈内にみえることと、針先が静脈内にあることは違うのである。いろいろ考察されているが正しく超音波ガイド下穿刺を行わなければかえって危険ということを十分理解する必要性が強調されるべきだと思う。

その意味で疑問を感じたのは、LiSAの座談会である。こちらも超音波ガイド下穿刺は当たり前という論調であるが、穿刺にはテフロン針を推奨している。針先の視認性という意味では金属針であるし、血管のど真ん中に針を誘導しガイドワイヤーを挿入すれば金属針で全く問題ない。その意味では超音波ガイド下CV穿刺というのは言葉だけが先行した概念なのかなと思わずにはいられない。
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by yamorimo | 2011-11-11 21:29 | 中心静脈穿刺 | Trackback | Comments(0)

CV穿刺困難例

shiba先生が腋窩静脈の困難例を提示されていますが、ほぼ同様の症例に遭遇しました。

内頸静脈がないということで呼ばれ、確認したらこんな感じです。
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確かに高度に虚脱しています。高齢で経口摂取ができず、細い末梢だけたっだので脱水が強いのでしょう。

鎖骨下を触れてみると、鎖骨の下に動脈が触れる。この横をちょんと刺せばと思いこちらもプレスキャン。
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静脈は浅いものの、肺までも2cmもない。交差法では危なそうです。

それでは平行法ではと長軸を出してみます。
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穿刺は橈骨動脈なみのコントロールが必要そうです。やや右側の下に肋骨がある部分なら勝算があるかもですが、万一気胸になってもと思い、head downを強くして輸液負荷でなんとか内頸から穿刺できました。

こんな症例だとまず平行法でインサイトAを静脈に留置し、そこにガイドワイヤーという方法もあるように思います。レガフォースをもう少し改良するとひとりで超音波ガイド下でワイヤー挿入ができないかと思案中です。
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by yamorimo | 2011-08-24 01:04 | 中心静脈穿刺 | Trackback | Comments(0)

超音波ガイド下CV穿刺を考える⑦

予定を変更してレガフォースEXを用いた平行法による内頸静脈穿刺の例を紹介します。
ひとりで穿刺したので途中で画像が切れますが、その後ガイドワイヤーを確認しています。



穿刺に外套は用いていません。先端の加工ははっきりしませんね。ガイドワイヤーの視認性は悪くないと思いました。
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by yamorimo | 2011-08-18 22:29 | 中心静脈穿刺 | Trackback | Comments(4)

超音波ガイド下CV穿刺を考える⑥

そろそろ麻酔科の内容に戻ります。

月末に神経ブロックのハンズオン用にブルーファントムをお借りしたので、これを流用してCV穿刺針の評価を行ってみます。使用機材は、ソノサイトS-Nervとブルーファントム。13Mhzのリニアプローブです。

まずテルモのレガフォースEXから。

針先の加工効果をみるために平行法で穿刺してみます。
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この条件では針先が毛羽立った感じでみえるようです。これなら素の針の方がみやすいかもしれません。

ソノサイトのAdvanced Needle Visualizationをオンしてみます。
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針が太くなりすぎる感じです。この程度の1-2cm下の血管ならオンにする必要はなさそうです。

では穿刺の動画です。この条件ではガイドワイヤの挿入まで確認できました。ファントムだと血管の下壁をワイヤーが突き抜けていますが実際の症例ではどうでしょう。少し寝かせてうまく挿入できました。


次回は、交差法でみてみます。
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by yamorimo | 2011-08-15 22:07 | 中心静脈穿刺 | Trackback | Comments(0)