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TIVA再入門その①

TIVA再入門を開講します。どのように発展していくか分かりませんがお付き合い下さい。

初回は何故今TIVAなのかということから始めてみます。

ここ数年の日本の麻酔の変化は鎮痛であることは間違いないと思います。レミフェンタニルと末梢神経ブロックの進歩はにより、これまで考えられなかった鎮痛状態を簡単に得ることができるようになりました。今や全身麻酔の主流は鎮痛主体のバランス麻酔であるといえます。
この場合の鎮静薬としてプロポフォールとセボフルランがある訳ですが、セボフルランについては使用する濃度が、0.8%程度の人から2%以上の人まで幅広いことがこれまでのアンケート調査で明らかとなりました。セボフルラン2%では当然併用するオピオイドは少量であり、レミフェンタニルなんて必要ないという意見も耳にします。一方、低濃度のセボフルランで維持するには高用量のレミフェンタニルが前提となります。このように同じセボフルラン麻酔でも同床異夢になっているのが現在の状況です。セボフルランは多少鎮痛が不足しても濃度を上げることでなんとなくごまかすことができるのが長所であり短所でもあります。

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一方で、TIVAでは鎮痛ということがセボフルラン以上に重要になります。麻酔科医のトレーニングの一段階としてTIVAにより鎮痛主体のバランス麻酔を実践することは非常に重要であると考えています。この段階を経験することでセボフルラン麻酔の方法も変わっていくと思います。
私はTIVAを専門とする人間でありながら最近セボフルランの宣伝を行っていたのはこのような理由です。

ということでこのTIVA再入門はレミフェンタニルと末梢神経ブロックを駆使した最新の麻酔法について説明していきたいと思います。

次回は、術中覚醒アンケート結果から分かることです。
by yamorimo | 2010-02-16 20:37 | 電脳麻酔学入門
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