昨年発売された「レミフェンタニル麻酔の実際」を読んだ読者の方から先生はガス流量2L/分で麻酔していますねと、指摘された。自分でも気づいていたが他の著者で2L/分で麻酔している例は少ない。このように他人の麻酔記録をみる楽しみがこの本にはある。
2L/分で行ない始めたのはこの本を書いている頃だったと記憶している。レミフェンタニルの登場でセボフルランの濃度を変えることがほとんどなくなったこと、酸素濃度を少し上げてみようなどの意図がある。
最近のトレンドはどうなのだろうか?ミラーの教科書のFigure21-16に2005年の調査結果が掲載されている。Baxterの調査なので米国での状況だろう。これによるとセボフルラン使用時の流量は2L/分が最も多い。やはり米国ではコスト意識が高いのだろう。イソフルランも同様だが、デスフルランは1L/分がメインである。これはデスフルランが高価であるため低流量で使っているのかもしれない。
現在の低流量対応の麻酔器とガスモニター、そしてセボフルランの組み合わせでは2L/分程度の低流量麻酔はほとんど問題なく施行できる。エコと節約の時代、今年は低流量麻酔の年になるのかもしれない。