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Prediction of postoperative delirium after abdominal surgery in the elderly

Prediction of postoperative delirium after abdominal surgery in the elderly.
Morimoto Y, et al. J Anesth. 2009;23:51-6


たまには自著論文の紹介をしてみたい。
これは、以前の日本麻酔科学会のシンポジウム用に高齢者の術後の認知機能障害について調べたものをせん妄を中心にまとめたものだ。
術後のせん妄のリスクファクターとしては高齢者やアルコール依存、ベンゾジアゼピンの内服などがある。これまでも術前には何の問題のない人が術後一過性にせん妄になるのが何故なのか興味はあった。
この研究で調べてみると、術後せん妄を起こした人に特徴的なのは、術前のかなひろいテストの点数が低い人だった。
かなひろいテストは初期の認知障害を評価するテストとして日本では(当然だが)ひろく用いられている。興味のある人はgoogleで検索してもらうと概要はすぐに分かります。やってみると結構面白いです。長谷川式よりも認知症の初期の段階をとらえるのには鋭敏とされており、今回の研究でも長谷川式では正常範囲の人がかなひろいテストでは広い範囲に分かれ、特に20点以下のひとは術後せん妄のリスクが高かったという結果が得られた。
その他、手術開始前のINVOSで測定したrSO2の値が低かったり、麻酔後の覚醒により時間がかかる人がせん妄のリスクが高いことが分かった。


結果としては、術前見た目には正常でもそれなりに脳血流量の低下している患者がいて、このような人が術後せん妄を起こしやすいのではないか。かなひろいテストはスクリーニングには有効。また、術後の覚醒の感じも有用かもという結果が得られたのではないかと思っています。
問題はではどうしたらよいの?という部分が分からないことです。個人的には長めに酸素投与していますが、そんなひとはすぐに酸素マスクを外してしまうのですね。
あとは大学時代はせん妄を起こす患者は少なかったのですが、一般病院に出てみるとみんなせん妄を起こしている(平均年齢がぐっと高いため)ので予測する必要がないというのも悲しい現状ではあります。
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by yamorimo | 2009-06-16 21:46 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)
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