中心静脈穿刺にエコーが必要な理由

中心静脈穿刺でのエコーの利用は徐々に増えていると思われるが、必要な理由はやはりいつもと違う患者がいるということにつきるだろう。これはある症例の内頚静脈の状態だ。
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右の内頚静脈は発達が悪くエコー下でなければ穿刺は難しそう。しかもこんな血管にカテーテールを入れてもよいのかという気もする。
左はその分血管経は大きいモノの虚脱気味である。鎖骨下にしてもよかったのだが、血管の位置をマーキングして輸液を全開にしながら左内頚静脈穿刺を行った。

エコーで分かるのはこの様に血管が細いあるいはほとんど確認不能。動脈と重なっている。血管が高度に虚脱。血栓の存在などである。丁度よい機会なので今後エコーの利用法について紹介してみる。
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by yamorimo | 2008-09-21 01:05 | 麻酔 | Trackback | Comments(4)
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Commented by SH at 2008-09-22 22:25 x
目視や触診でIJVがはっきりしない時にエコーで見てみると先生が示されたように右側が異常に細かったりしたことがあります.先に観察しておくというのは確かに大切だと思います.
ただ,エコーの画面を見ながら針を立てて穿刺するという方法を取ろうという気にはなれません.血管の走行さえ解ればあとは通常の穿刺の方が最終的な成功確率は高くなると思われるからです.もちろん成功率なんて個人の技量によりいくらでも変るものですから比較するのはあまり適切ではないでしょうね.
Commented by yamorimo at 2008-09-23 00:14
SH先生
そこはやはりポリシーの問題ですね。いくら血管の走行をマーキングしてもミリ単位での誤差は避けられないですから、そこはエコー下に正しく正中を穿刺する。針の穿刺角度はプローブの角度を変えることで任意ですし、血管の縦断面を出して穿刺する平行法だと本当に任意の角度で穿刺できます。ここで針の進みに対して血管がつぶれていく様子とか、ガイドワイヤーの血管内への進み具合をチェックしながら穿刺が可能です(そのうち動画もアップしますね)。
あとは自由度の問題で、エコー下に穿刺すれば内頚にこだわらずに鎖骨下を選択できるし、橈骨動脈穿刺でもかなり中枢から穿刺できます。
読者の方々には両者の利点欠点をふまえて両方できるのがスーパー麻酔科医だとご理解頂きたいです。どこでもエコーがある訳ではないし、エコーがなければ穿刺できないでも困る。お互い補完的であるべきというのが私の考えです。
Commented by SH at 2008-09-23 20:05 x
>そこはやはりポリシーの問題ですね。いくら血管の走行をマーキングしてもミリ単位での誤差は避けられないですから、

それはそうですけど,3kgのbabyでもIJVは5 mmくらいの径がありますから...
うちのU名人は結局のところ「宗教」の問題だから,決着の付けようがないものだと話してました.私もそう思ってます.
エコーをみながらにしますと左手でエコープローブを持つことになり,皮膚
カウンタートラクトを掛けることができなくなります.穿刺の基本は「いかに血管の形状を保ちつつ血管以外の組織(主に皮膚)に邪魔されないように血管までアプローチできるか」であると考えています.これがマスターできればイメージ通りに(エコーでみたイメージも含め)針を血管内に置いて来れるようになります. 
なぜこのことに拘るかと言いますと,これは末梢静脈ライン確保,動脈ライン確保などの血管確保すべてに共通する事項だからです.まあこれも私の個人的意見に過ぎませんが...
エコーを見ながら穿刺する時にもテープなどをうまく使って皮膚に適切なtensionが掛るようにできればこの問題はクリアできると思いますが,あれこれ工夫してみる必要がありそうです.
Commented by yamorimo at 2008-09-23 23:38
皮膚のtensionですが、確かに有効ですね。私は内頚の場合、鎖骨にテープをつけて下方に引っ張るのと、下顎を上方に引っ張るのはよく行っています。小児の場合、妹弟子のH先生はエコーは必須といわれてましたよ。
要は、できるだけ成功率を高めて穿刺するのを重視するか、リアルタイム性を重視するかです。SH先生の意見につけ加えれば、血管までどのように針が進んでいき、どのように血管内に入っていくのかを実際のイメージを掴めば、エコーがないときでもイメージしやすいだろうと思うのです。
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