麻酔と夢①

麻酔科学会で少し話題になった全身麻酔中の夢について文献を紹介していきたい。
初回は、
Intraoperative dreams reported after general anaesthesia are not early interpretations of delayed awareness. Acta Anaesthesiol Scand 2008;52:805

6991例の吸入麻酔薬で全身麻酔を受けた患者を、術直後、1-3日後、7-14日後の3回、術中の夢の有無と、術中覚醒について調査した。

夢をみたと報告したのは3.3%(232名)の患者だった。このうちの4名は術中覚醒を起こしていた。夢を見た患者では、みなかった患者よりも19倍術中覚醒の頻度が高かった(1.7% vs 0.09%)。
不快な夢は麻酔導入にチオペンタールを使った患者でプロポフォールを使った患者と比べて高かった。不快でない、あるいは楽しい夢(不快な夢の3倍の頻度)は、低いBMI、女性、短時間の麻酔で多かった。
この研究での典型的な夢を見る患者は短時間の麻酔を受けるやせた女性だった。

補足
麻酔中の夢の頻度は、報告により0.9-57%と幅広い。麻酔薬や投与量、術後のインタビューの時期によると考えられているようだがはっきりしていない。この研究では麻酔中の夢と覚醒時の記憶に関連はみられていない。筆者らは術中覚醒の記憶が同時に夢を思い出させたのではないかと考察している。
結語としては麻酔中の夢の本質は本研究では迫れなかったとしているが、少なくとも明日からはやせた女性に短時間の麻酔を行うときは、いい夢がみれますよといいながら導入するのがよいのかもしれない。導入薬はプロポフォールでということになるのだろうか。

文献をいろいろ集めたので②に続く。
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by yamorimo | 2008-07-10 23:38 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)
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